傷病と保障:知っておきたい基礎知識

保険について知りたい
病気やケガをしたときは、健康保険だけで十分ですか?

保険のアドバイザー
まず公的医療保険と高額療養費制度を確認します。仕事中や通勤中なら労災保険、休業中の収入減には傷病手当金が関係します。それでも不足する分を貯蓄や民間保険で補います。
傷病とは。
病気とケガをまとめた言葉です。治療費だけでなく、差額ベッド代などの保険外費用、仕事を休むことによる収入減も考えて備える必要があります。利用できる公的制度は、傷病が起きた場所や働き方によって変わります。
最初に使うのは公的医療保険

健康保険や国民健康保険などの公的医療保険を使うと、保険診療の窓口負担は年齢や所得に応じた割合になります。69歳までは原則3割ですが、子どもや70歳以上の人は条件によって割合が異なります。
1か月の自己負担が上限を超えた場合は、高額療養費制度の対象になります。上限額は年齢や所得で変わるため、「医療費の3割をすべて自分で負担し続ける」という意味ではありません。
公的医療保険で払われない費用

差額ベッド代、入院時の食事代の一部、日用品代、家族の交通費などは、高額療養費の対象外になることがあります。
先進医療では、先進医療の技術料は全額自己負担です。一方、診察、検査、投薬、入院料など通常の治療と共通する部分は、公的医療保険の対象になります。先進医療を受けると治療費全体が必ず全額自己負担になるわけではありません。
仕事中・通勤中の傷病は労災保険

仕事が原因の病気やケガ、通勤途中の事故は、原則として健康保険ではなく労災保険を使います。労災に当たるかどうかを最終的に判断するのは会社ではなく、労働基準監督署です。
仕事中のケガについて会社が責任を認めない場合でも、本人が労災保険給付を請求できます。医療機関には受診時に仕事中または通勤中の傷病であることを伝えましょう。
業務外の傷病で仕事を休む場合

勤務先の健康保険に入っている本人が、業務外の病気やケガで働けず、十分な給与を受けられない場合は、傷病手当金を受け取れることがあります。
連続する3日間の待期を経た4日目以降が対象で、支給額は原則として支給開始日前12か月の標準報酬月額の平均を30で割り、その3分の2です。支給期間は通算1年6か月です。市区町村の国民健康保険には通常この制度がないため、自営業者などは別の備えが必要です。
民間の医療保険で補う範囲
民間の医療保険は、公的制度を使っても残る自己負担や収入減を補うために利用します。入院給付金や手術給付金は契約で定めた条件に該当したときに支払われ、実際の医療費をすべて自動的に補てんするものではありません。
民間保険にも、1入院あたりの日数、通算日数、対象となる手術、免責期間などの条件があります。入院すれば無条件で全額受け取れると考えず、契約内容を確認しましょう。
備える順番

- 健康保険、国民健康保険、労災保険のどれを使う傷病か確認する
- 高額療養費、傷病手当金、勤務先の休業制度を確認する
- 差額ベッド代や生活費、収入減に充てられる貯蓄を確認する
- 不足する金額と期間だけ民間の医療保険や就業不能保障で補う
公的制度を先に確認すれば、必要以上に民間保険を増やしにくくなります。現在の保障を一覧にし、治療費と収入減を分けて考えることが大切です。
