モノの受け渡しと契約の関係:要物契約とは?

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モノの受け渡しと契約の関係:要物契約とは?

保険について知りたい

先生、『要物契約』って、どういう意味ですか?

保険のアドバイザー

簡単に言うと、当事者が約束するだけでなく、物の引渡しも必要となる契約のことです。ただし、物を貸す約束がすべて要物契約になるわけではありません。例えば、どんな場面があると思う?

保険について知りたい

友達に本を貸す約束をして、実際に本を渡す場面でしょうか?

保険のアドバイザー

本の無料の貸し借りは『使用貸借』だね。ただ、今の民法では貸す側と借りる側の合意で成立するんだ。要物契約の例とは分けて覚えよう。

要物契約とは。

『要物契約』は保険だけの言葉ではなく、契約に関する法律の用語です。当事者の合意に加え、物の引渡しが効力を生じるために必要となる契約を指します。

はじめに

はじめに

約束事を交わすことは、私たちの暮らしの中でなくてはならないものです。お店で買い物をしたり、部屋を借りたりするときにも、契約が関わります。多くの契約は当事者の合意によって成立しますが、物の引渡しが必要なものもあります。後者を『要物契約』と呼びます。

例えば、友人に荷物を預ける『寄託』は、以前は荷物を渡すことで成立すると定められていました。しかし、2020年に施行された民法の改正により、現在は預ける側と預かる側が合意した時点で成立します。昔の説明をそのまま当てはめないようにしましょう。

お金などを借りる『消費貸借』は、原則として物を受け取ることで効力が生じます。ただし、書面で貸し借りを約束した場合は、受け取る前でも契約が成立します。また、無料で物を借りる『使用貸借』や物を預ける『寄託』も、現在は合意で成立します。

物を渡したかどうかは、契約が成立した時期だけでなく、返すものや義務の内容を考えるうえでも大切です。例えば、友人から現金を借りたときは、いつ、いくら受け取ったのかを記録しておくと、後の行き違いを防げます。

契約がいつ成立するかは、その契約の種類によって異なります。『物を渡していないから契約はない』と一律に考えず、何を約束したのか、書面があるのかを確認しましょう。

契約の種類 説明 例
要物契約 約束に加えて、品物などの受け渡しが必要な契約。 原則として物の受取りで効力が生じる消費貸借など
寄託契約 物を預かって保管する契約。現在は合意で成立する。 友人に荷物を預ける約束をする
消費貸借契約 借りた金銭などと同じ種類・数量のものを返す契約。原則は受取りで成立し、書面による契約には例外がある。 友人にお金を貸す
使用貸借契約 物を無償で借りて使い、後で返す契約。現在は合意で成立する。 友人から自転車を借りる約束をする
質権の設定 借金などの担保として預ける物について質権を設定する場合は、その物の引渡しが必要。 借金の担保として品物を質屋に引き渡す

要物契約の定義

要物契約の定義

要物契約とは、当事者の合意に加えて、法律で定められた物の引渡しが必要な契約のことです。サービスを提供する契約をすべて要物契約と呼ぶわけではありません。

例えば『この本を贈ります』『ありがとう、受け取ります』と双方が合意すれば、贈与契約は本を渡す前でも成立します。贈与は要物契約ではありません。ただし、書面によらない贈与は、履行が終わっていない部分について解除できるという別の決まりがあります。

売買も、売り手と買い手が『売ります』『買います』と合意すれば成立します。商品を届けたり、代金を支払ったりするのは、その後の履行です。このように合意で成立するものを『諾成契約』と呼びます。

部屋を借りる賃貸借も、当事者の合意によって成立します。鍵の受渡しは借りた部屋を使うために必要ですが、契約成立の条件ではありません。運送を頼む契約についても、荷物を実際に運んで初めて成立するとはいえません。

『物を渡す約束』と『渡さなければ契約が成立しない』は別の話です。契約ごとの決まりを確かめることが大切です。

契約の種類 契約成立の要件 例
要物契約 当事者の合意に加え、法律で定められた物の引渡しが必要 原則としての消費貸借、質権の設定
諾成契約 当事者の合意で成立する 売買、贈与、賃貸借、使用貸借、寄託

他の契約との違い

他の契約との違い

契約を、成立に何が必要かという観点から見てみましょう。要物契約では、当事者の合意に加え、物の引渡しが必要です。例えば、借金の担保として品物に質権を設定するときは、民法上、その品物を相手に引き渡す必要があります。ただし、お金を受け取ることまでが質権設定の条件というわけではありません。

一方、多くの契約は『諾成契約』です。例えば売買では、売り手と買い手の合意で契約が成立します。商品や代金の受渡しはその後です。贈与、賃貸借、使用貸借、寄託も、現在は合意で成立します。

物を受け取る前に契約が成立するかどうかは、種類や約束の仕方で変わります。消費貸借も、書面による約束なら受渡し前に成立します。引渡し前だから必ず契約違反にならない、とはいえません。

契約の種類 成立要件 例 特徴
要物契約 物の引渡し 質権の設定、原則としての消費貸借 法律で定められた物の引渡しが必要
諾成契約 意思の合意 売買契約 物の引渡し前でも合意によって成立する

具体例

具体例

実際に物を渡すことが必要な例として、通常の消費貸借と質権の設定を見てみましょう。その後、似た言葉でも合意で成立する契約との違いを確かめます。

まず『消費貸借』です。現金や砂糖などを借りて、同じ種類・品質・数量のものを返す契約を指します。例えば、隣の人から砂糖を1キログラム借りて、後日同じ品質・数量の砂糖を返す場合です。原則として受取りによって成立しますが、書面で貸し借りを約束した場合は受取り前に成立します。

次に『使用貸借』です。これは自転車や本などを無償で借りて使い、後でその物を返す契約です。現在は合意で成立するため、受け取るまで契約がないわけではありません。ただし、書面によらない使用貸借では、貸主は借主が物を受け取るまで解除できます。

『贈与』は、財産を無償で相手に与える契約です。贈る側の申し出を相手が受け入れれば、品物を渡す前でも成立します。なお、書面によらない贈与は、履行が終わっていない部分について解除できます。理由が必ず必要という説明は正確ではありません。

同じように物を渡す場面でも、契約が成立する時期は違います。現金や砂糖を借りる消費貸借と、無料で自転車を借りる使用貸借を混同しないようにしましょう。

契約の種類 説明 例 返還義務
消費貸借 金銭や砂糖などを借り、同じ種類・品質・数量のものを返す契約。原則として受取りで成立する。 隣の人から砂糖を1kg借りる 同種、同量、同品質のものを返す
使用貸借 物を無償で借りて使う契約。合意で成立する。 友人に自転車を貸す、近所の人に本を貸す 借りた物をそのまま返す(破損・紛失時は弁償の可能性あり)
贈与 財産を無償で相手に与える契約。 誕生日プレゼント、結婚祝い 受け取った贈り物は原則として返還不要。書面によらない贈与は未履行部分を解除できる。

日常生活での関連性

日常生活での関連性

物を借りたり、あげたりする場面では、何を約束したのかによって契約の種類が違います。要物契約は、合意に加えて物の引渡しが必要な契約です。ただし、物が登場する契約がすべて要物契約になるわけではありません。

例えば友人から本を無料で借りる使用貸借や、友人にプレゼントを贈る贈与は、互いに合意した時点で成立します。本やプレゼントを渡すことは、契約が成立する条件ではありません。

お金を借りて同額を返す消費貸借は、原則としてお金を受け取ることで成立します。一方、書面で貸し借りを約束したときは、受取り前でも契約が成立します。友人や家族間でも、約束の仕方と受渡しの事実を確認しておきましょう。

契約の種類を確かめたうえで、受け渡す物、返す時期、返し方などを事前に話し合うことが大切です。特にお金の貸し借りは、金額と返済期限を書き残しておくと、後の行き違いを防ぎやすくなります。

契約の種類 説明 例
要物契約 物の受け渡しによって成立する契約 原則としてのお金や砂糖の貸し借り、質権の設定
消費貸借契約(原則として受取りで成立) 借りた金銭などと同じ種類・数量のものを返す契約。書面による約束には例外がある。 友人から現金を借りる。書面で約束する場合もある。

まとめ

まとめ

契約には、当事者の合意で成立するものと、合意に加えて物の引渡しが必要なものがあります。後者が要物契約です。ただし、物を渡す場面であれば必ず要物契約というわけではありません。

金銭や砂糖を借りて同じ種類・数量のものを返す消費貸借は、原則として物を受け取ることで成立します。ただし、書面で貸し借りを約束すれば、受取り前でも成立します。『預けて相手に食べてもらう』ことは、消費貸借の例ではありません。

使用貸借は、本や自転車などを無償で借りて使い、その物を返す契約です。現在は貸す側と借りる側が合意した時点で成立します。書面によらない契約では、借りる側が物を受け取るまで貸主が解除できる点にも注意しましょう。

贈与も、贈る側の意思表示を相手が受け入れた時点で成立します。贈り物の受渡しは成立の条件ではありません。ただし、書面によらない贈与は、まだ履行していない部分を解除できるという決まりがあります。

売買や賃貸借も、当事者の合意で成立します。要物契約と、合意で成立する契約の違いを知り、物の受渡しが必要なのか、書面による例外があるのかを確認しましょう。

契約の種類 説明 例 成立条件
要物契約 合意に加え、法律で定められた物の引渡しが必要な契約 原則としての消費貸借、質権の設定 法律で定められた物の引渡し
諾成契約 当事者の合意によって成立する契約 売買、賃貸借、贈与、使用貸借、寄託 意思の合致