脱退一時金とは?退職金との違いや受取方法を解説

保険について知りたい
先生、『脱退一時金』ってどういうお金のことですか?

保険のアドバイザー
いい質問だね。『脱退一時金』には、会社の企業年金から受け取るものと、日本の公的年金から受け取るものがあるんだ。同じ名前でも、対象になる人や受け取る条件は違うよ。

保険について知りたい
同じ名前でも、会社の年金と国の年金では別の制度なんですね。

保険のアドバイザー
そうだよ。例えば、会社の確定給付企業年金では、退職時に規約の条件を満たすと受け取れる場合がある。一方、公的年金の脱退一時金は、主に日本を離れる外国籍の人が一定の条件で請求するものなんだ。
脱退一時金とは。
『脱退一時金』という言葉は、複数の年金制度で使われます。企業年金では、確定給付企業年金などから退職時に支払われる一時金を指します。公的年金では、日本の年金制度に加入していた外国籍の人が日本を離れるとき、一定の条件を満たすと請求できる別の給付を指します。どの制度の話かを先に確認しましょう。
脱退一時金の概要

企業年金のうち、確定給付企業年金では、退職などにより加入資格を失った人に脱退一時金を支給する場合があります。受け取れる条件や金額は、その制度の規約によって決まります。転職する人は、お金を受け取らず、移せる年金制度へ引き継ぐ方法を選べる場合もあります。企業型確定拠出年金は、退職しただけで現金を受け取れる制度ではありません。原則として年金資産を移し、脱退一時金を受け取れるのは限られた条件を満たす場合です。
公的年金にも、同じ名前の『脱退一時金』があります。こちらは、日本国籍を持たず、日本の国民年金または厚生年金保険に加入していた人が、日本を離れた後に一定の条件を満たすと請求できる制度です。国民年金の対象には、自営業として保険料を納めた人も含まれます。『自営業者は対象外』とは言えません。
受け取れる条件は、どの脱退一時金を指すかで変わります。確定給付企業年金では、加入していた制度の規約を確認してください。『厚生年金基金に5年以上加入していなければ受け取れない』という一律の決まりはありません。公的年金の脱退一時金には、国籍、加入期間、日本に住所がないことなど、別の条件があります。
企業年金からの一時金を考えるときは、受け取る前に、年金資産を次の制度へ移せるかを確認しましょう。例えば、確定給付企業年金の脱退一時金相当額は、所定の手続きをすれば企業型確定拠出年金やiDeCoへ移せる場合があります。現金で受け取った後に同じ手続きで移せるわけではありません。受け取るか移すかで、将来の給付や税金の扱いも変わり得ます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 脱退一時金 |
| 概要 | 企業年金と公的年金に同じ名前の給付があり、対象者も条件も異なる。 |
| 対象者 | 企業年金は加入していた制度の対象者。公的年金は、日本国籍を持たず日本を離れた人など。 |
| 対象となる年金制度 | 確定給付企業年金などの企業年金と、国民年金・厚生年金保険の公的年金。企業型確定拠出年金の現金受取は例外的。 |
| 受給条件 |
|
| 受給の選択 | 企業年金では、現金で受け取る前に、年金資産を別の制度へ移せるか確認する。 |
| 選択のポイント | 加入していた制度、受給条件、将来の給付、税金、移換手続きの期限を確認する。 |
退職金との違い

退職金と企業年金からの脱退一時金は、勤務先の退職給付に関わるお金です。会社によっては両方の仕組みを設けていますが、退職金と脱退一時金を必ず別々に受け取れるとは限りません。まず、勤務先の退職金規程と企業年金の規約を確認しましょう。
退職金は、勤務先の退職金規程などに基づいて支払われます。勤続年数や役職、退職理由など、金額を決める方法は会社によって異なります。業績が良ければ必ず増え、悪ければ必ず減るというものではありません。
確定給付企業年金の脱退一時金は、その年金制度の規約に基づいて支払われます。金額の計算方法も制度ごとに異なり、給与の平均額だけで決まるわけではありません。また、公的年金の脱退一時金は別制度です。名前が同じというだけで、会社の退職金と同じようには比較できません。
税金の扱いも『退職金は優遇され、脱退一時金には控除がない』とは言えません。例えば、退職に伴って確定給付企業年金から受け取る一時金は、退職所得として扱われ、退職所得控除の対象になる場合があります。一方、在職中に制度が終了したため支払われる一時金などは、扱いが異なる場合があります。支払われる理由を確認してください。
退職金と企業年金の一時金を受け取る場合は、それぞれの支払元から金額と支払理由が分かる書類を受け取りましょう。同じ年や近い年に受け取ると、退職所得控除の計算が変わる場合もあります。手取り額を考えるときは、勤務先の担当者や税務署に確認すると安心です。
| 項目 | 退職金 | 脱退一時金 |
|---|---|---|
| 支給理由 | 勤務先の退職金規程などに基づいて支払われる。 | 加入していた企業年金の規約などに基づいて支払われる。 |
| 金額決定要素 | 退職金規程に定められた勤続年数、退職理由など。 | 企業年金の規約で定められた加入期間や給付額の計算方法など。 |
| 金額の予測可能性 | 勤務先の規程を確認すると、計算方法を調べられる。 | 企業年金の規約と支払元の案内を確認すると、計算方法を調べられる。 |
| 税金 | 退職所得に当たる場合は、退職所得控除の対象になる。 | 退職に伴う確定給付企業年金の一時金は、退職所得となる場合がある。支払理由によって扱いを確認する。 |
受取方法と手続き

手続きは、どの制度の脱退一時金かによって異なります。確定給付企業年金なら、以前の勤務先の担当者や企業年金基金に、受給と年金資産の引き継ぎの選択肢を確認しましょう。公的年金なら、日本年金機構の案内に従います。
必要な書類は、請求する制度と本人の状況で変わります。請求書のほかに何が必要かを、支払元の最新の案内で確認してください。在職証明書や離職票が誰にも必ず必要とは限りません。企業年金の資産を移したい場合は、現金で受け取る手続きより先に、移す先と期限も確認しましょう。
請求書類の提出方法や支払時期も、制度によって違います。郵送に限られるとも、必ず1~2か月で振り込まれるとも言えません。企業年金は以前の勤務先や基金、公的年金は日本年金機構の案内を確認し、記入漏れや提出期限に注意してください。
『脱退一時金を分割して年金として受け取る』という説明は正確ではありません。脱退一時金は一度に支払われる給付です。確定給付企業年金では、規約と加入期間によって、将来の年金受給や年金資産の引き継ぎを選べる場合があります。どの選択肢があるかは、自分の制度で確かめましょう。税金も受け取り方だけで一律に決まりません。

注意点

企業年金の脱退一時金を受け取ると、その給付に対応する企業年金の権利や年金資産に影響します。ただし、国民年金や厚生年金から将来受け取る額まで、必ず同じように減るとは言えません。公的年金の脱退一時金を受け取る場合は、対象となった加入期間が将来の日本の年金給付にどう扱われるかを、日本年金機構の説明で確認してください。
脱退一時金が必ず『一時所得』になるわけではありません。退職に伴う確定給付企業年金の一時金は、退職所得として扱われる場合があります。一方、在職中に制度が終了したため支払われる一時金など、支払理由によって税金の扱いは変わります。支払元の書類を確認し、分からなければ税務署に相談しましょう。
受け取れるかどうかは、加入していた年金制度の条件で決まります。企業年金では規約を確認し、公的年金では日本年金機構が示す国籍や加入期間などの条件を確認してください。勤続年数だけで一律に判断しないことが大切です。
転職する場合は、企業年金のお金を現金で受け取る前に、次の制度へ移せるか調べましょう。確定給付企業年金の脱退一時金相当額を企業型確定拠出年金やiDeCoに移す場合は、以前の勤務先の担当者などに申し出ます。原則として、加入資格を失ってから1年以内に手続きが必要です。受け取った現金を、その後で同じ『移換』の手続きに回せるわけではありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 将来の年金への影響 | 受け取った給付に対応する企業年金の権利や年金資産に影響する。公的年金の脱退一時金は別に確認する。 |
| 税金 | 一時所得とは限らない。退職に伴う確定給付企業年金の一時金は退職所得となる場合がある。 |
| 受給資格 | 企業年金の規約、公的年金の日本年金機構の案内で、それぞれの条件を確認する。 |
| 持ち運び制度 | 現金を受け取る前に、企業年金の脱退一時金相当額を移せるか確認する。手続きには期限がある。 |
まとめ

『脱退一時金』には、企業年金から受け取るものと、公的年金から受け取るものがあります。同じ名前ですが、対象となる人も条件も違います。この記事では、二つの制度を混同しないために大切な点を整理しました。
企業年金の脱退一時金と勤務先の退職金は、どちらも退職給付に関わるお金です。会社の仕組みによっては両方を受け取れることもありますが、必ず別々にもらえるとは限りません。勤務先の退職金規程と企業年金の規約で、自分の給付を確認しましょう。
受け取れる条件は制度によって異なります。確定給付企業年金では規約を確認してください。企業型確定拠出年金は、退職しても原則として現金では受け取らず、年金資産を移します。公的年金の脱退一時金は、日本を離れる外国籍の人などが、一定の条件を満たす場合に請求できます。
税金についても、脱退一時金は必ず控除の対象外とは言えません。退職に伴う確定給付企業年金の一時金は、退職所得として扱われる場合があります。支払われる理由と時期によって扱いが異なるため、受け取る前に支払元へ確認しましょう。
現金で受け取ると、対応する企業年金の給付や年金資産に影響します。転職する場合は、現金を受け取る前に、次の年金制度へ移せるかを確認してください。公的年金の脱退一時金を受け取る場合は、将来の日本の年金に対象期間がどう扱われるかも確認しましょう。
年金資産の引き継ぎは『移換』と呼ばれます。確定給付企業年金から企業型確定拠出年金やiDeCoへ移せる場合があります。移せるかどうか、期限がいつかは、以前の勤務先の担当者と移す先の制度に確認しましょう。
まず、自分が加入していたのが企業年金か、国民年金・厚生年金保険かを確認してください。企業年金なら勤務先や基金、公的年金なら日本年金機構へ、受け取る条件と手続きを尋ねましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 脱退一時金とは | 企業年金と公的年金に同じ名前の給付がある。内容は別。 |
| 退職金との関係 | 会社の制度によって関係が変わる。必ず二重に受け取れるわけではない。 |
| 受給条件 | 企業年金は規約、公的年金は日本年金機構が示す条件による。 |
| 受取方法 | 脱退一時金は一度に支払われる。年金受給や資産の引き継ぎは別の選択肢。 |
| 税金 | 退職に伴う確定給付企業年金の一時金は、退職所得控除の対象となる場合がある。 |
| 将来の年金への影響 | 対象となる企業年金の給付や資産に影響する。公的年金の脱退一時金は別に確認する。 |
| ポータビリティ制度 | 企業年金の資産を移す制度。現金で受け取る前に利用の可否と期限を確認する。 |
| 相談窓口 | 企業年金は以前の勤務先・基金、公的年金は日本年金機構に確認する。 |
