確定給付企業年金

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適格退職年金契約とは何か?

適格退職年金契約とは、企業が従業員の老後の生活資金を準備するために利用していた年金制度です。簡単に言うと、会社が従業員のために将来受け取れる年金を積み立てていく仕組みのことです。かつては多くの企業で導入されていましたが、現在は新規の契約を結ぶことができず、既に存在する契約も全て廃止されています。 この制度は、生命保険会社や信託銀行といった金融機関と契約を結び、将来の年金給付を約束するという形をとっていました。つまり、会社が毎月お金を金融機関に預け、従業員が退職した後に、そのお金を元手に年金として受け取れるようにする仕組みです。ただし、どんな契約でも適格退職年金契約と認められるわけではありませんでした。国が定めた一定の条件をクリアし、国の承認を得た契約だけが「適格」と認められました。 適格と認められることで、会社には税金面で有利になるというメリットがありました。例えば、積み立てたお金が会社の経費として認められるため、税金の負担を軽くすることができました。これは、従業員の老後を守るための制度を普及させるための国の政策の一つでした。 この制度は、従業員の老後の生活を支えることを目的として導入されました。退職後も安定した収入を得られるようにすることで、安心して生活を送れるようにすることを目指していました。しかし、時代の変化や社会保障制度の充実などにより、この制度は役割を終え、現在では利用されていません。今では、確定拠出年金や確定給付企業年金など、他の年金制度が主流となっています。
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脱退一時金とは?退職金との違いや受取方法を解説

会社を辞めたり、転職したりする際に、これまで積み立ててきた年金資産を一時金として受け取れる制度があります。これを脱退一時金と言います。脱退一時金は、厚生年金基金や確定給付企業年金、確定拠出年金といった様々な年金制度に加入していた方が、その制度から脱退する際に、一定の条件を満たすと受け取ることができるお金です。将来受け取るはずだった年金を、前もってまとめて受け取るようなものです。 この制度は、会社員や公務員など、会社などに雇用されている方が対象となります。自営業やフリーランスで働いている方は、残念ながらこの制度の対象外です。 脱退一時金を受け取るには、いくつかの条件を満たす必要があります。最も重要な条件の一つが、年金制度への加入期間です。厚生年金基金の場合、基本的には5年以上加入している必要があります。5年未満の加入期間では、脱退一時金を受け取ることができません。確定給付企業年金や確定拠出年金の場合は、それぞれの制度によって加入期間の条件が異なります。そのため、自分が加入している年金制度の詳しい規定を確認することがとても大切です。それぞれの制度の規約には、加入期間以外にも、脱退一時金の受給資格に関する詳しい情報が記載されています。 脱退一時金を受け取るか、それとも年金として将来受け取るか、どちらが有利かは、個々の状況によって異なります。すぐにまとまったお金が必要な場合は、脱退一時金を受け取る方が良い場合もあります。将来の年金受給額を重視する場合は、年金として受け取る方が良い場合もあります。それぞれのメリット、デメリットをしっかりと比較検討し、ご自身の状況に合った選択をすることが重要です。また、受け取った脱退一時金の使い道についても、よく考えて計画を立てるようにしましょう。
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企業年金連合会:知っておきたい基礎知識

企業年金連合会は、国民の老後の生活の安定を支えるために設立された重要な団体です。その歴史は、昭和42年にまで遡ります。当時は厚生年金基金連合会という名称で、厚生年金保険法に基づいて設立されました。この設立は、高度経済成長期の中で、公的年金に加えて、より充実した老後保障の仕組みを構築する必要性が高まったことを背景としています。 その後、社会経済情勢や年金制度を取り巻く環境は大きく変化しました。少子高齢化の進展、長引く低金利時代、そして公的年金の将来に対する国民の不安の高まりなど、様々な課題が浮き彫りになりました。こうした変化に対応するため、平成16年の法改正を経て、平成17年に組織の名称が現在の企業年金連合会に変更されました。この名称変更には、従来の厚生年金基金制度に加えて、新たに創設された確定拠出年金制度や確定給付企業年金制度といった、企業年金全体の運営をより包括的に支援していくという強い決意が込められています。 企業年金連合会の主な役割は、加入者や受給者の保護を図ることです。具体的には、企業年金制度の円滑な運営を促進するために、制度に関する情報提供や相談、さらには年金資産の適切な運用や管理、年金の給付など、多岐にわたる業務を行っています。また、近年注目されている確定拠出年金制度においては、加入者自身が適切に資産運用を行うことができるよう、教育や情報提供にも積極的に取り組んでいます。このように、企業年金連合会は、国民の老後生活の安定という重要な使命を担い、社会保障制度の一翼を担う機関として、その役割を着実に果たしています。
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税制適格年金とは何か?

会社員などが老後を迎えた際に、安心して暮らせるよう生活の支えとなる仕組みとして、退職年金制度のひとつである税制適格年金というものがありました。これは、会社が働く人たちのために年金を積み立てておき、退職後に年金として受け取れるようにすることで、安定した生活を送れるように支援することを目的としていました。 この制度の大きな特徴は、会社が年金を積み立てていく際に、税金面で有利になる措置を受けられたことです。具体的には、会社が積み立てたお金は、費用として認められ、会社の税金が軽くなりました。また、積み立てたお金を運用して得られた利益も、税金がかからないようになっていました。つまり、税金の負担が少なくなることで、より効率よく年金を積み立てることができたのです。 これらの税制優遇措置は、より多くの会社が年金制度を導入する後押しとなり、結果として、働く人たちの老後の生活保障をより充実させることを目指していました。国としては、この制度を通じて、将来への不安を少しでも減らし、人々が安心して働き続けられる社会を築きたいと考えていました。 しかし、経済環境の変化や社会保障制度の改革などにより、税制適格年金制度は、平成29年3月末で新規加入受付が終了しました。現在では、確定拠出年金や確定給付企業年金など、他の年金制度が老後の生活保障の重要な役割を担っています。