S建方式とP建方式:保険料のしくみ

S建方式とP建方式:保険料のしくみ

保険について知りたい

先生、「S建」ってどういう意味ですか?よくわからないです。

保険のアドバイザー

S建とは、生命保険会社が保険料を決める方法の一つだよ。簡単に言うと、まず保険金がいくら欲しいかを決めて、そこから保険料を計算するやり方なんだ。欲しい保険金をSとして、Sから保険料Pを計算するのでS建と呼ばれるんだよ。

保険について知りたい

なるほど。じゃあ、保険料から保険金を計算するやり方もあるんですか?

保険のアドバイザー

いい質問だね!その通り。保険料を先に決めて、そこから保険金がいくらになるか計算するやり方をP建と言うんだ。S建とP建は、どちらを使うかで保険の考え方が変わるんだよ。

S建とは。

生命保険会社が保険料を決める方法の一つに、『S建』というものがあります。『S建』では、まず最初に保険金(Sは保険金のことで、Suminsuredの略です)の額を決めます。この決めた保険金額を元に、保険料を計算します。この時、保険料は『P』と呼ばれます。

これとは逆に、先に保険料を決めて、その金額から保険金がいくらになるのかを計算する方法を『P建』と呼びます。『S建』と『P建』は、お互いに足りない部分を補い合う関係にあります。

保険契約の数を数える時にも、『S建』と『P建』は使われます。『S建』の場合、契約の合計額は保険金の合計額で計算されます。一方、『P建』の場合は、受け取った保険料の合計額で計算されます。

昔から日本の大きな生命保険会社は、『S建』をメインに使って営業成績を計算してきました。しかし、最近では『P建』を使う会社が増えてきています。特に、外資系の生命保険会社は『P建』を使うことが多いです。

保険金額から保険料を決めるしくみ

保険金額から保険料を決めるしくみ

生命保険の中には、契約を結ぶ時点で将来受け取れる金額がすでに決まっている商品があります。この受け取れる金額を保険金額と言い、この金額を基準に保険料を計算する方法を保険金額建と言います。これは、英語で保険金額を意味する「Sum Insured」の頭文字「S」をとって、S建とも呼ばれます。

では、どのように保険金額から保険料が決まるのでしょうか?保険会社は、過去の膨大なデータをもとに、様々な統計を活用して計算を行います。例えば、年齢や性別ごとの平均寿命、病気による死亡率といった統計データです。これに加えて、契約を希望する人の健康診断の結果なども参考にします。これらの情報から、将来保険金を支払う可能性やその金額を予測します。

そして、この予測に基づいて、集めた保険料で将来の保険金支払いに対応できるように、必要な保険料を逆算して決めるのです。つまり、保険金額建とは、まず最初に受け取りたい金額を決め、そこから必要な保険料を計算する方式です。

例えば、1億円の保険金を受け取れるように設定したとしましょう。この場合、年齢や健康状態によって、毎月支払う保険料が変わってきます。健康状態が良く若い人であれば、長生きする可能性が高いので、保険金を支払う可能性は低くなります。そのため、保険料は比較的安く設定されます。反対に、高齢の方や持病のある方は、若くて健康な人に比べて保険金を支払う可能性が高いため、保険料は高めに設定されることになります。このように、保険金額建は、受け取りたい金額を重視し、それに合わせて必要な保険料を計算する仕組みです。そのため、必要な保障額から逆算して保険料を決められるので、将来設計に合わせて保険を選ぶことができます。

項目 説明
保険金額建(S建) 契約時に将来の受取額(保険金額)を決定し、それを元に保険料を算出する方式。
保険料の計算方法 年齢、性別ごとの平均寿命、病気による死亡率、健康診断結果などの統計データに基づき、将来の保険金支払の可能性と金額を予測し、必要な保険料を逆算。
保険料の決定要因 年齢、健康状態など。若い人や健康な人は保険料が安く、高齢者や持病のある人は保険料が高くなる傾向。
メリット 必要な保障額から保険料を逆算できるため、将来設計に合わせた保険選びが可能。
1億円の保険金を受け取る場合、年齢や健康状態によって毎月の保険料が変動。

保険料から保険金額を決めるしくみ

保険料から保険金額を決めるしくみ

生命保険には、将来受け取る保険金を決めてから毎月の保険料を計算する方法と、先に毎月の保険料を決めてから受け取れる保険金を計算する方法があります。後者の、先に保険料を決める方法を保険料建(P建)と言います。このPは、保険料を意味する言葉の頭文字から来ています。

P建は、毎月支払う保険料を先に決めるため、家計管理がしやすくなります。例えば、毎月2万円を保険料として支払うと決めた場合、その2万円の中でどの程度の保険金を受け取れるのかが計算されます。この時、受け取れる保険金額は、加入する人の年齢や健康状態、そしてどのような内容の保険に加入するかによって変化します。同じ2万円の保険料でも、若くて健康な人であればより多くの保険金を受け取ることができ、高齢であったり、持病を持っている人であれば受け取れる保険金は少なくなります。これは、若くて健康な人は長生きする可能性が高く、保険金が支払われる可能性が低いと判断されるためです。逆に、高齢者や持病のある人は、保険金が支払われる可能性が高いと判断されるため、同じ保険料でも受け取れる保険金額は少なくなります。

P建のメリットは、家計のやりくりを立てやすい点です。毎月決まった額の保険料を支払うだけで将来の備えができるので、計画的に資産を準備することができます。将来受け取る保険金額は、年齢や健康状態によって変動しますが、毎月の支払額が一定なので、無理なく保険に加入し続けることができます。

P建は、将来の不安に備えたいけれど、毎月の支払額を把握しておきたいという方にとって、無理なく続けられる、便利な仕組みと言えるでしょう。

項目 内容
生命保険のタイプ 保険料建(P建)
P建とは 先に毎月の保険料を決めてから、受け取れる保険金を計算する方法。Pは保険料を意味する言葉の頭文字。
メリット
  • 家計管理がしやすい(毎月の支払額が一定)
  • 計画的に資産を準備できる
  • 無理なく保険に加入し続けられる
保険料と保険金の関係 同じ保険料でも、年齢や健康状態によって受け取れる保険金は変動する。

  • 若くて健康な人 → 多くの保険金
  • 高齢者や持病のある人 → 少ない保険金
P建のメリット 将来の不安に備えつつ、毎月の支払額を把握しておきたいという方にとって、無理なく続けられる仕組み。

両者の関係と使い分け

両者の関係と使い分け

生命保険を選ぶ際、まず考えなければならないのが保険金の種類です。大きく分けて、保険金を先に決める方法と、保険料を先に決める方法の二種類があります。それぞれ、一般的に「金額保障型」と「保険料払込型」と呼ばれていますが、ここでは分かりやすく「金額型」と「保険料型」と呼ぶことにします。

この二つの型は、どちらが良い悪いではなく、契約する方の必要性や状況によって選ぶものです。例を挙げて説明しましょう。

金額型は、将来受け取りたい保険金額を最初に決める方法です。例えば、住宅ローンが残っている場合、万が一のことがあった際に家族に残された住宅ローンの返済が大きな負担になる可能性があります。このような場合、残りのローン金額と同等の保険金額を設定することで、家族の生活を守るための備えとすることができます。つまり、必要な保障額が明確な場合に金額型が適していると言えるでしょう。

一方、保険料型は、毎月支払う保険料を最初に決める方法です。家計の支出をコントロールし、無理なく保険料を支払いたい場合に適しています。例えば、毎月一定の金額を確実に積み立てて将来の保障に備えたい、というような場合です。収入や支出のバランスを考え、無理のない範囲で保険料を設定することで、家計への負担を抑えながら将来の安心を確保できます。

このように、金額型と保険料型はそれぞれ特徴が異なり、メリットとデメリットを理解した上で、自分に合った方を選ぶことが大切です。将来のライフプランや現在の家計状況を考慮し、どちらがより適切かをじっくり検討しましょう。保険会社の担当者やファイナンシャルプランナーに相談してみるのも良いでしょう。彼らは専門家として、あなたの状況に合ったアドバイスをくれるはずです。

保険の種類 説明 メリット デメリット 適したケース
金額型
(金額保障型)
必要な保障額を先に決める 必要な保障額を確実に確保できる 保障額によっては保険料が高額になる可能性がある 住宅ローン残高など、必要な保障額が明確な場合
保険料型
(保険料払込型)
毎月支払う保険料を先に決める 家計に合わせた保険料を設定でき、無理なく支払える 保険金額が想定より少なくなる可能性がある 家計の支出をコントロールし、無理なく保険料を支払いたい場合

保険会社の業績評価

保険会社の業績評価

保険会社の働きぶりを評価するには、大きく分けて二つの考え方があります。一つは契約額を重視する考え方で、もう一つは保険料を重視する考え方です。従来、日本の多くの大手生命保険会社は、契約額を重視する考え方で営業成績を評価していました。これは、契約した保険金の総額を基準として、その大きさを競うように営業成績を判断するものです。わかりやすく言うと、より多くの保障額を契約した担当者ほど、高い評価を得ていたのです。

しかし、近年では保険料を重視する考え方も増えてきました。特に海外から来た生命保険会社では、保険料を重視する評価が一般的です。これは、顧客が実際に支払う保険料を重視することで、顧客本位の姿勢を大切にしているからです。顧客が無理なく支払える範囲で、必要な保障を提案することで、顧客にとってより良いサービス提供に繋がると考えられています。

保険料を重視する考え方は、毎月コンスタントに収入を得られるという利点もあります。これは、保険会社の経営を安定させることにも繋がります。契約額だけを重視すると、一時的に大きな契約が取れても、その後顧客が保険料を支払えなくなってしまう可能性も否定できません。しかし、保険料を重視することで、長期的に安定した収入を見込むことができ、より堅実な経営を行うことが可能になります。

このように、保険会社の業績評価には二つの考え方があり、それぞれに利点があります。それぞれの考え方の特徴を理解することで、保険会社がどのような方針で経営を行っているのかを把握することができます。これは、顧客が自分に合った保険会社を選ぶ上でも、重要なポイントとなるでしょう。

評価基準 重視する点 メリット デメリット 主な採用企業
契約額 契約した保険金の総額 営業成績が分かりやすい 顧客が保険料を支払えなくなる可能性がある。一時的な業績向上に繋がりやすい。 従来の日本の大手生命保険会社
保険料 顧客が実際に支払う保険料 顧客本位の姿勢、長期的に安定した収入を見込める 契約額ほど営業成績が分かりやすくない 海外からの生命保険会社

自分に合った保険選び

自分に合った保険選び

{自分に合った保険選び}

人生における様々な出来事、例えば結婚、出産、住宅購入、子供の教育、そして老後への備えなど、将来に向けての経済的な安心を確保するためには、保険への加入が欠かせません。しかし、一口に保険と言っても様々な種類があり、自分に最適な保険を選ぶことは容易ではありません。そこで、保険選びで最も大切なのは、まず自分自身の状況をしっかりと把握することです

まず、将来どれくらいの保障が必要なのかを考えましょう。例えば、住宅ローンが残っている場合は、万が一のことがあった場合でも家族が安心して暮らせるよう、ローン残高と同程度の死亡保障が必要となるでしょう。また、お子さんがいる場合は、教育費を賄えるだけの保障額も必要です。将来のライフプランを具体的に描き、必要な保障額を算出することが大切です。現在の家計の収入と支出を把握し、無理なく支払える毎月の保険料はどの程度なのかを考えましょう。保険料の負担が大きすぎると、家計を圧迫し、継続的な支払いが難しくなる可能性があります。

保険には大きく分けて、掛け捨て型と貯蓄型があります。掛け捨て型は、保険期間中に万が一のことがあった場合に保障を受けられますが、保険期間が満了してもお金は戻ってきません。一方、貯蓄型は、保険期間中に万が一のことがあった場合に保障を受けられるだけでなく、満期時には満期保険金を受け取ることができます。どちらのタイプが自分に合っているのかは、保障の必要性と貯蓄性のどちらを重視するかによって異なります。また、保障内容も様々です。死亡保障だけでなく、医療保障やがん保険、介護保険など、様々な保障があります。それぞれの保障内容をよく理解し、自分にとって必要な保障は何かを考えましょう。

保険は複雑な商品であり、自分一人で最適な保険を選ぶのは難しい場合もあります。そのような場合は、保険代理店やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談してみるのも良いでしょう。専門家は、あなたの状況やニーズに合わせて、最適な保険プランを提案してくれます。保険は、将来の安心を確保するための大切な備えです。しっかりと時間をかけて検討し、自分に合った保険を選びましょう

項目 内容
保険選びの重要性 人生の様々なイベント(結婚、出産、住宅購入、教育、老後)に備えるための経済的安心を確保
保険選びのポイント 自己の状況把握、必要な保障額の算出、無理のない保険料の設定、保険の種類の理解、保障内容の理解
保障額の検討 住宅ローン残高、子供の教育費などを考慮
保険料の検討 家計の収入と支出を把握し、無理なく支払える範囲で設定
保険の種類 掛け捨て型(保障のみ)、貯蓄型(保障+満期金)
保障内容 死亡保障、医療保障、がん保険、介護保険など
専門家への相談 保険代理店、ファイナンシャルプランナー

まとめ

まとめ

生命保険を選ぶ際、保障の額と掛け金のどちらを先に決めるかで大きく二つの種類に分かれます。それが額面建(S建)と予定利率建(P建)です。それぞれの特徴を理解し、自分に合った保険を選びましょう。

まず、額面建とは、最初に欲しい保障額を決めてから、それに必要な掛け金を計算する方法です。例えば、万が一の時に家族に残したい金額を1000万円と決めた場合、その金額を保障するために必要な掛け金を毎月支払うことになります。額面建のメリットは、必要な保障額を確実に確保できることです。将来、どれくらいのお金が必要になるかを予測し、その金額に見合う保険に加入できます。しかし、将来の金利変動によって、実際に支払う掛け金が変わる可能性があるというデメリットも存在します。

一方、予定利率建は、最初に毎月支払う掛け金の額を決めて、その掛け金で将来どれだけの保障を受けられるかを計算する方法です。例えば、毎月2万円の掛け金を支払うと決めた場合、将来受け取れる保障額は、契約時の予定利率によって決まります。予定利率建のメリットは、毎月支払う掛け金の額が一定なので、家計管理しやすい点です。しかし、将来の金利変動によって、受け取れる保障額が変わる可能性があるというデメリットがあります。低金利の時には、保障額が思ったより少なくなる可能性も考えられます。

保険会社自身の経営においても、このS建とP建の考え方は用いられます。近年では、収益性を重視し、予定利率建を重視する会社が増えてきています。

保険商品は複雑で、様々な種類があります。それぞれのメリット・デメリットをしっかりと理解し、自分のライフプランや家計状況に合った保険を選ぶことが大切です。専門家に相談することで、より自分に最適な保険を見つけやすくなります。保険は、将来への備えとして、安心して暮らすために役立つ大切なものです。しっかりと理解し、賢く活用しましょう。

種類 決定基準 メリット デメリット
額面建(S建) 最初に保障額を決める 必要な保障額を確実に確保できる 将来の金利変動によって、実際に支払う掛け金が変わる可能性がある
予定利率建(P建) 最初に掛け金の額を決める 毎月支払う掛け金の額が一定なので、家計管理しやすい 将来の金利変動によって、受け取れる保障額が変わる可能性がある