自賠責保険の被害者請求とは?対象・期限・手続きを解説

保険について知りたい
被害者請求は、加害者が支払ってくれないときだけ使う制度ですか?

保険のアドバイザー
いいえ。被害者は、加害者からの支払いを待たず、加害車両が加入する自賠責保険会社へ直接請求できます。最終手段に限られた制度ではありません。
被害者請求とは。
交通事故の被害者が、自動車損害賠償保障法に基づき、加害車両の自賠責保険会社や共済組合へ損害賠償額を直接請求する制度です。加害者を通さずに、自賠責保険の限度額まで請求できます。
加害者請求との違い

加害者請求は、加害者が先に被害者へ損害賠償金を支払い、その支払額を自賠責保険へ請求する方法です。被害者請求では、被害者自身が加害車両の自賠責保険へ直接請求します。
被害者が自分の車に付いている自賠責保険へ請求する制度ではありません。また、ひき逃げで加害車両が分からない場合や無保険車による事故は、被害者請求ではなく政府保障事業の対象になり得ます。
請求できる損害

自賠責保険は人身損害が対象です。傷害の場合は治療費、通院交通費、休業損害、慰謝料など、後遺障害の場合は逸失利益や慰謝料など、死亡の場合は葬儀費、逸失利益、本人と遺族の慰謝料などが支払基準に基づいて算定されます。
以前の記事には「慰謝料は対象外」との記載がありましたが、誤りです。人身事故の慰謝料は自賠責保険の支払対象に含まれます。車や衣類などの物損は対象外です。
支払限度額

- 傷害による損害:被害者1人につき最高120万円
- 後遺障害による損害:等級に応じて最高4,000万円
- 死亡による損害:被害者1人につき最高3,000万円
損害額が限度額を超える場合は、加害者本人や加害者の任意保険へ超過分を請求します。
請求期限は損害の種類で違う

- 傷害:事故発生日の翌日から3年以内
- 後遺障害:症状固定日の翌日から3年以内
- 死亡:死亡日の翌日から3年以内
2010年3月31日以前に発生した事故は2年です。請求が遅れる事情がある場合は、時効更新の手続きについて自賠責保険会社へ早めに相談してください。
請求の流れ

- 加害車両の自賠責保険会社または共済組合を確認する
- 請求書類を取り寄せる
- 交通事故証明書、診断書、診療報酬明細書、休業損害証明書など、請求内容に応じた書類をそろえる
- 自賠責保険会社へ提出する
- 損害調査と支払審査の後、結果の通知を受ける
必要書類は傷害、後遺障害、死亡で異なります。診断書が必ず同じ形式とは限らないため、先に請求先へ確認しましょう。
示談前でも請求できる

被害者請求は、加害者側との示談がまとまる前でも行えます。治療が長引き、費用や休業損害の負担が大きい場合は、仮渡金の制度を利用できることもあります。
後遺障害の等級や損害額に争いがある場合、重傷事故、過失割合に大きな争いがある場合は、交通事故に詳しい弁護士などへの相談も検討してください。
まとめ

被害者請求は、被害者が加害車両の自賠責保険へ直接請求する制度です。加害者が支払わない場合だけに限られず、示談前でも利用できます。慰謝料を含む人身損害が対象で、物損は対象外です。請求期限があるため、請求先と必要書類を早めに確認しましょう。
