賠償責任を負わない第三者とは?

保険について知りたい
『賠償義務者以外の第三者』って、ちょっと分かりにくいんですけど、具体的にどういう人のことですか?

保険のアドバイザー
これは自動車保険の約款で使われる言葉だよ。事故の賠償をする人を『賠償義務者』と呼び、その人とは別に、被害者の損害の一部を負担する人や団体がいる場合に『賠償義務者以外の第三者』と書くことがあるんだ。

保険について知りたい
それは、事故を見ていた人や被害に遭った私も、みんな含まれるという意味ですか?

保険のアドバイザー
いいえ、そうではないよ。約款では、その第三者が損害のうち負担すべき額を被害者が既に受け取った場合に、保険金の計算に反映させることがある。目撃者や救急隊員が事故の場にいたというだけでは、その意味の第三者にならないんだ。
賠償義務者以外の第三者とは。
自動車保険の約款にある『賠償義務者以外の第三者』は、事故の賠償義務者とは別に、被害者の損害の一部を負担する立場にある人や団体を指す文脈で使われます。例えば、無保険車傷害保険の保険金を計算するとき、そうした第三者が負担すべき額を被害者が既に受け取っていれば、その額を差し引くと定める約款があります。単に事故を目撃した人や、現場に来た救急隊員をまとめて指す言葉ではありません。
はじめに

『賠償義務者以外の第三者』という表現は、無保険車傷害保険などの約款に出てきます。意味を理解するには、言葉だけで『当事者以外の全員』と考えず、保険金を計算する条文の前後を読む必要があります。
交通事故では、運転者のほか、自動車を使わせていた人などが、事情によって損害賠償の責任を負う場合があります。誰に責任があるかは、事故の状況を調べて判断します。単に事故を起こした車の運転者だけが、常に唯一の賠償義務者とは限りません。
例えば、無保険車による人身事故の損害について、加害者から受け取った賠償金のほかに、別の人や団体から同じ損害に対する支払いを受けている場合があります。約款では、こうした既に受け取った額を保険金の計算で考慮することがあります。事故を見ていただけの通行人や、被害を受けた人自身を『賠償義務者以外の第三者』と呼ぶわけではありません。
実際に何を差し引くかは、加入している保険の約款で決まります。事故の当事者、責任を負う人、既に支払われたお金を整理したうえで、保険会社に計算の根拠を確認しましょう。
賠償責任者とは

交通事故で法律上の損害賠償責任を負う人を、賠償義務者といいます。運転者が該当する場合が多いものの、車を使わせていた人などにも責任が生じることがあります。責任の有無は事故ごとの事実関係で決まります。
車の所有者や使用者にも、事故の状況によって責任が生じる場合があります。会社の仕事中に従業員が事故を起こしたときは、会社の使用者責任が問題になる場合もあります。ただし、所有者や会社が関わっていれば必ず責任を負うわけではありません。
子どもが事故を起こした場合、本人の責任能力や保護者の監督状況によって、保護者の責任が問題になることがあります。親なら必ず賠償する、という一律の決まりではありません。
車を貸した人も、貸し方や車の管理状況によって責任を問われることがあります。誰が車を運転していたかだけでなく、車を使わせていた人の関わり方も確認が必要です。
事故で誰が賠償義務を負うかは、一つの例だけでは決められません。相手の保険会社や自分の保険会社に事故の内容を伝え、判断に疑問があれば相談窓口や専門家に確認しましょう。
| 賠償責任者 | 責任発生の状況 | 補足 |
|---|---|---|
| 運転者 | 事故について法律上の賠償責任を負う場合。 | 例:赤信号無視 |
| 自動車の持ち主 | 車の使用や管理の状況によって責任が生じる場合がある。 | |
| 会社(使用者) | 業務との関係によって使用者責任が問題になる場合がある。 | 使用者責任 |
| 親 | 子どもの責任能力や監督の状況によって判断される。 | 監督責任 |
| 車の貸主 | 車を借りた人が事故を起こした場合 | 車を貸しただけで、必ず責任を負うわけではない。 |
第三者とは何か

ここでいう『第三者』は、事故の当事者以外に現場にいた人全員という意味ではありません。無保険車傷害保険の約款では、賠償義務者とは別に、その損害を負担すべき人や団体から被害者が既に受け取った額を、支払保険金の計算で考慮する場合があります。
したがって、目撃者、救急隊員、単に近くを通った人などは、その場にいたという理由だけで『賠償義務者以外の第三者』にはなりません。誰が何の損害を負担するのかが大切です。
同乗者についても、乗っていたというだけで賠償義務を負うわけではありません。一方、事故の原因に関わった事実があれば、責任が問題になる場合があります。立場を名前だけで決めず、事故の事情で判断します。
車の整備に関わった会社などについても、責任があるかどうかは事故の原因との関係によります。『事故に関係した人はすべて第三者』という分け方では、約款に書かれた意味を正しく説明できません。
無保険車傷害保険の保険金額を計算するときは、被害者がどこから、同じ損害についていくら受け取ったかを確認します。何が差し引かれるかは契約の約款によって異なるため、支払明細の内訳を保険会社へ確認してください。

無保険車の場合

『無保険車』という言葉には、任意の対人賠償保険がないなど、十分な賠償を受けられない車を指す使い方があります。一方、政府保障事業の『無保険車』は、自賠責保険・共済に入っていない車のことです。制度ごとに意味が異なるため、混同しないようにしましょう。
相手に十分な賠償資力がないときは、まず事故を警察に届け、加入している保険会社へ連絡しましょう。人身傷害保険や無保険車傷害保険を利用できるかは、契約内容と事故の状況によって異なります。保険会社が必ず加害者に代わって全額を立て替えるわけではありません。
政府保障事業は、ひき逃げで加害車両が分からない事故や、自賠責保険・共済に入っていない車による事故で、けがや死亡の被害を受けた人を救済する制度です。車だけが壊れた当て逃げなど、物損だけの事故は対象外です。ほかから受けた給付や賠償を考慮し、所定の範囲で支払われます。
加害車両が分かっていても、自賠責保険・共済に入っていなければ、政府保障事業の対象となる場合があります。『相手が特定できたら利用できない』という説明は誤りです。一方、任意の対人賠償保険だけに入っていない場合は、まず自賠責保険・共済や自分の保険の補償内容を確認しましょう。

用語の具体的な意味

この言葉は、自動車保険の約款で保険金を計算する場面に出てきます。賠償義務者以外の第三者が、被害者の損害の一部を負担し、そのお金を被害者が既に受け取った場合に、保険金から差し引くと定める例があります。
無保険車傷害保険は、相手の対人賠償保険がないなどの理由で十分な賠償を受けられず、運転者や同乗者が死亡または後遺障害を負った場合に備える保険です。単にけがをしただけで必ず支払われるわけではありません。商品によっては人身傷害保険に含まれる形もあるため、契約内容を確認しましょう。
『賠償義務者以外の第三者』とは、賠償義務者とは別に、同じ損害について負担すべき額がある人や団体を指す文脈の言葉です。被害者がその額を既に受け取っていれば、保険金の計算で考慮される場合があります。無保険車の運転者や所有者を除いた『事故関係者全員』という意味ではありません。
同乗者は、乗っていただけで賠償義務者になるわけではありません。事故の原因に関わったかどうかは個別に確認する必要があります。また、被害者自身を『賠償義務者以外の第三者』として数える説明も、この保険金計算の場面には合いません。
通行人が事故を目撃しただけなら、その人に損害の負担が生じるわけではありません。別の車の運転者が関わった場合も、過失や賠償責任の有無を調べて判断します。『無保険車の運転者以外なら全員第三者』とは言えません。
約款の言葉が分かりにくいときは、その前後にある『既に受け取った額を差し引く』などの計算規定と一緒に読みましょう。自分の事故で何が差し引かれたかは、保険会社に内訳を尋ねてください。
| 状況 | 主な確認先 | 第三者からの支払い | 保険金を計算するときの注意点 |
|---|---|---|---|
| 無保険車による人身事故 | 運転者や車の使用者など、事故ごとに判断 | 別の人や団体から同じ損害について支払いを受けた場合に確認 | 既に受け取った賠償金などを、約款に従い計算に反映する場合がある。 |
| 加害車両が分からない人身事故 | 事故の事情を警察や保険会社に伝えて確認 | 政府保障事業などからの支払いがあるか確認 | 物損だけの当て逃げは、政府保障事業の対象外。 |
| 物損だけの当て逃げ | 判明した場合は事故の責任を負う人 | 政府保障事業からの支払いはない | 自分の車両保険など、契約している補償を確認する。 |
| 複数の車が関わる事故 | それぞれの責任の有無を事故ごとに判断 | 他の人や団体から支払いを受けた場合に確認 | 当事者や目撃者という名前だけで第三者の負担額は決まらない。 |
まとめ

『賠償義務者以外の第三者』は、単に事故の当事者ではない人をまとめて呼ぶ言葉ではありません。自動車保険の約款で、賠償義務者とは別に損害を負担する人や団体から、被害者が既に受け取った額を扱う場面に出てきます。
事故で誰が賠償義務を負うかは、運転者や車の使用者などの関わり方で変わります。保険会社が支払う額も、契約した補償と、既に受け取った賠償金などを確認して計算します。
事故を見ていた人、現場へ来た人、同乗していた人を、立場だけで『賠償義務者以外の第三者』と決めることはできません。誰が同じ損害について負担し、被害者がいくら受け取ったかを確認する必要があります。
無保険車傷害保険は、相手の賠償が足りない事故で死亡や後遺障害を負った場合に備えるものです。けが一般を補償する人身傷害保険とは対象が異なります。補償の組み合わせは商品によって違うため、自分の契約を確認しましょう。
対人賠償保険は、被保険者が他人を死傷させて法律上の賠償責任を負った場合に備える保険です。同乗者のけがが必ず対象外というわけではありません。補償される人の範囲と免責条件を、契約の約款で確認してください。
ひき逃げや自賠責保険に入っていない車による人身事故では、政府保障事業を利用できる場合があります。一方、物損だけの事故は対象外です。事故に遭ったら警察と保険会社へ連絡し、利用できる補償を具体的に確認しましょう。
