
任意継続で健康保険を続けよう
会社を辞めた後も、以前と同じ会社の健康保険に継続して加入できる制度のことを、任意継続被保険者制度と言います。
仕事をやめると、それまで入っていた健康保険からも抜けることになります。すぐに次の仕事が見つかる人ばかりではありません。仕事を探している間や、少しの間休みたいと考えている人もいるでしょう。そのような時に、健康保険に入っていない状態になってしまうと、病院にかかる時のお金の負担が大きくなってしまいます。
そこで、任意継続被保険者制度を使えば、会社を辞めた後も、以前と同じ健康保険に最大2年間入っていられます。この制度は、会社を辞めてから次の仕事に就くまでの間の健康保険の空白期間をなくし、安心して次の行動に移れるようにするための大切な役割を担っています。病気やケガはいつどうなるか予測できません。だからこそ、健康保険に継続して入っていることは、生活設計を考える上で欠かせないと言えるでしょう。
この制度を利用するには、退職した会社の健康保険組合に退職日から20日以内に申請する必要があります。申請が遅れると、この制度を利用できなくなるので注意が必要です。また、保険料は全額自分で負担することになります。会社員だった時は、保険料の半分を会社が負担してくれていましたが、任意継続の場合は、会社が負担する部分も自分で支払う必要があるため、保険料の金額が増えることになります。しかし、保険料は現役時代とほぼ同じ計算方法で決まるため、国民健康保険に加入するよりも保険料が安くなる場合もあります。
任意継続被保険者制度を利用するかどうかは、個々の状況によって判断する必要があります。例えば、すぐに次の仕事が決まりそうであれば、無理に任意継続をする必要はありません。しかし、転職活動に時間がかかりそうだったり、配偶者の扶養に入る予定がなかったりする場合は、任意継続被保険者制度を利用することで、安心して医療サービスを受けられるという安心感を得られます。