死亡表

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生命表:人生の縮図

生命表とは、ある時点における年齢別の死亡の割合を基に、生まれたばかりの赤ちゃん10万人に対して、それぞれの年齢まで生き残る人数と、亡くなる人数を予想してまとめた表のことです。この表は、人生をぎゅっと凝縮したように表現したものとも言え、人がどの年齢でどれくらいの人が亡くなるのかという、生きる事と死ぬ事の移り変わりを数字で示しています。生命表は「死亡表」とも呼ばれ、人口の統計や公衆衛生の学問、そして保険の計算など、色々な分野で使われています。特に生命保険を取り扱う会社では、保険料を計算する際の重要な資料として使われています。 生命表の作成には、国が発表する人口動態統計が用いられます。人口動態統計は出生数や死亡数、婚姻数や離婚数といった、人口の増減に関する基本的な統計です。生命表は、この統計をもとに、各年齢における死亡率を算出し、10万人が生まれたと仮定したときに、各年齢まで何人生き残り、何人が亡くなるのかを計算します。例えば、0歳の死亡率が0.2%だとすると、10万人のうち200人が1歳になる前に亡くなると予測されます。そして、9万9800人が1歳まで生き残ると計算されます。これを各年齢について繰り返すことで、生命表が完成します。 生命表は、単なる統計の数字の集まりではなく、社会全体の健康状態や平均寿命の変化を映し出す鏡のようなものです。平均寿命が延びれば、高齢まで生存する人の数が増え、生命表にもその変化が反映されます。また、特定の病気による死亡率が低下すれば、その年齢の生存率が向上します。このように、生命表は社会の状況を反映し、私たちの暮らしに深く関わっていると言えるでしょう。保険料の算出だけでなく、医療政策や福祉政策など、様々な分野で活用され、私たちの生活を支えているのです。
生命保険

経験表:生命保険の基礎知識

人が将来どのくらいの確率で亡くなるのかを予測した統計資料、それが生命表です。生命保険会社はこの生命表を使って、保険料や将来支払う保険金の額を計算しています。この生命表には、大きく分けて二つの種類があります。 一つ目は、経験生命表と呼ばれるものです。これは、生命保険会社が契約している人たちの実際の死亡状況の記録を集めて作られます。つまり、その保険会社が実際に経験した情報をもとに作られているので、「経験表」とも呼ばれています。各社が保有する契約者の年齢や健康状態、職業などは異なるため、作成される経験生命表も会社ごとに違います。保険会社は、自社の顧客に合ったより正確な予測をするために、この経験生命表を使うことが多いです。 二つ目は、国民生命表です。こちらは、国勢調査など国全体の人口に関する資料をもとに、厚生労働省が作成・公表しています。国全体の人口の増減や死亡の状況を表すものなので、特定の集団ではなく、日本に住む全ての人を対象にしています。このため、国民生命表は、日本の社会全体の状況を反映した生命表と言えるでしょう。 生命表の中心となる情報は、各年齢で亡くなる確率です。そのため、生命表は「死亡表」と呼ばれることもあります。生命表は、生命保険会社が事業をきちんと続けていくために欠かせない、羅針盤のような役割を果たしています。