
損害保険料控除:知っておくべき基礎知識
災害に備えるための保険。家計にとっては大きな負担となる場合もあります。そこで、以前は保険料の一部を税金から差し引く「損害保険料控除」という制度がありました。これは、火災保険や地震保険といった特定の保険に加入し、保険料を支払った場合、その一部が所得税と住民税の計算で収入から差し引かれ、結果として税金の負担を軽くするものでした。家計にとってありがたい制度でしたが、平成十九年からは廃止となっています。
現在では、「地震保険料控除」という制度があります。これは、損害保険料控除とは仕組みが異なり、所得から差し引くのではなく、計算された税金から直接差し引くようになっています。そのため、税金を減らす効果はより高いと言えます。具体的には、地震保険に加入し保険料を支払った場合、その金額に応じて所得税と住民税から最大五万円まで差し引くことができます。
地震保険は、地震や噴火、津波といった大きな災害による住宅の損害を補償するものです。火災保険に付帯して加入するのが一般的です。地震保険料控除を受けるには、確定申告、もしくは年末調整で手続きを行う必要があります。地震保険に加入している方は、この控除制度を忘れずに利用することで、より賢く税金の負担を軽減することができます。ご自身の加入状況を確認し、忘れずに手続きを行いましょう。