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損害率と事業費率:収益性のカギ

保険会社の良し悪しを見極める上で、大切なもののひとつに『合わせた比率』というものがあります。これは、保険会社がどれだけうまくお金をやりくりしているかを示す数字です。具体的には、『純粋な損害比率』と『純粋な事業費比率』のふたつを足し合わせたものです。 まず、『純粋な損害比率』とは、集めた保険料のうち、実際に保険金として支払ったお金の割合のことです。この割合が低いほど、保険会社は保険金の支払いを効率的に行っていると言えます。例えば、集めた保険料が100円で、支払った保険金が60円であれば、純粋な損害比率は60%となります。 次に、『純粋な事業費比率』とは、集めた保険料のうち、会社を運営していくための人件費や広告費などに使ったお金の割合のことです。この割合が低いほど、保険会社は無駄な費用をかけずに運営できていると言えます。例えば、集めた保険料が100円で、事業費が30円であれば、純粋な事業費比率は30%となります。 そして、これらふたつの比率を足し合わせたものが『合わせた比率』です。先ほどの例で言うと、純粋な損害比率60%と純粋な事業費比率30%を足して、合わせた比率は90%となります。この合わせた比率が100%より小さければ、その保険会社は利益を出していることを意味し、100%より大きければ損失を出していることになります。つまり、この数字が小さいほど、保険会社は効率的に経営できていると言えます。 ただし、この『合わせた比率』だけで、保険会社の全てを判断することはできません。なぜなら、この数字は、将来の保険金支払いに備えて積み立てているお金のことを考えていないからです。つまり、今の収入と支出だけを見て計算した数字なので、将来起こるかもしれない危険を反映していないのです。 それでも、『合わせた比率』は保険会社の経営状態を知る上で、とても大切な数字であることには変わりありません。この数字を理解することで、保険会社がどれだけきちんと経営しているかをより深く知ることができます。