
免責金額とは?仕組みとメリット
損害保険に加入する際、「免責金額」という言葉を耳にすることがあります。これは、事故や災害などで損害を被った場合、保険金が支払われる前に、契約者自身、あるいは被保険者が負担する金額のことを指します。
分かりやすく説明すると、例えば、自動車事故を起こしてしまい、車の修理費用が10万円かかったとします。もし、免責金額が5万円に設定されている保険契約に加入していた場合、保険会社から支払われるのは5万円のみとなり、残りの5万円は自己負担となります。つまり、損害額のうち、あらかじめ決められた一定額までは自己負担し、それを超える部分について保険金が支払われる仕組みです。
では、なぜこのような免責金額という制度があるのでしょうか。それは、保険料の抑制と保険会社の手間削減という二つの大きな利点があるからです。小さな損害まで全て保険でカバーすると、保険会社は膨大な数の事務処理を行う必要が生じます。書類の作成や確認、損害額の査定など、一つ一つは小さな作業でも、積み重なれば大きな負担となります。そして、これらの事務処理にかかる費用は、最終的には保険料に上乗せされることになります。
免責金額を設定することで、小さな損害は契約者自身が負担することになります。これにより、保険会社は大きな損害への対応に集中できるようになり、事務処理の負担が軽減されます。結果として、保険料の値上がりを抑え、保険制度全体を効率的に運営できるのです。また、契約者にとっても、保険料が安くなるというメリットを享受できます。つまり、免責金額は、保険会社と契約者の双方にとってメリットがある制度と言えるでしょう。