L字型保険とは?メリット・デメリットを解説
保険について知りたい
先生、「L字型保険」ってよく聞くんですけど、どんな保険なんですか?
保険のアドバイザー
そうだね。「L字型保険」とは、簡単に言うと、一生涯の保障である終身保険に、一定期間の掛け捨ての保障である定期保険がくっついたものだよ。保険の設計図を見ると、保障額がL字型になっているから、そう呼ばれているんだ。
保険について知りたい
なるほど。図の形で名前がついているんですね。でも、何が良いんですか?
保険のアドバイザー
初期の保険料が安いことがメリットだね。だけど、定期保険の部分は掛け捨てだから、更新するたびに保険料が高くなっていくんだ。それに、一定の年齢になると更新できなくなることもあるから、注意が必要だよ。
L字型保険とは。
『エル字型保険』という保険の言葉について説明します。これは、一生涯保障される終身保険に、期間限定の保障が追加されたものです。死亡した際に保障が支払われる点が特徴で、金利が変わるタイプの積立終身保険もこれに含まれます。一定期間は掛け捨て型と同じで、終身保険に定期的な保障の特約がついています。保険の設計書を見ると、保障額を表す線がエル字型になっているのが特徴です。ほぼ掛け捨てと同じなので保険料は安いですが、更新するたびに保険料が高くなり、ある年齢以上になると更新できなくなります。支払う保険料の合計額と比べると、生涯の保障や解約時に戻ってくるお金は少なく、契約期間が長くなるほど不利になります。保険料の見直しを勧められることがありますが、実際は別の保険への変更を意味しており、契約者にとって有利になることはあまりありません。
L字型保険の概要
エル字型保険とは、一生涯の保障が続く終身保険に、一定期間だけ保障額を増やす定期保険の特約を組み合わせた商品です。この保険は、保障期間と金額を図にすると、エル字型に見えることから、そう呼ばれています。
エル字型保険は、大きく分けて二つの部分から成り立っています。一つ目は、一生涯保障が続く終身保険の部分です。これは、死亡時に必ず保険金が支払われるもので、加入時の年齢や保険金額によって保険料が決まります。二つ目は、定期保険特約の部分です。これは、特定の期間、例えば10年、20年、30年といったように、決められた期間だけ保障が上乗せされるものです。この期間中に死亡した場合、終身保険の保障に加えて、特約部分の保障も受け取ることができます。
エル字型保険のメリットは、必要な保障額を期間に合わせて調整できることです。例えば、子供が小さいうちは教育資金のために大きな保障が必要ですが、子供が独立した後はそれほど大きな保障は必要ありません。このような場合、子育て期間に合わせて定期保険特約を付けることで、効率的に保障を得ることができます。また、終身保険部分は一生涯の保障となるため、将来の不安にも備えることができます。
保険料の仕組みは、終身保険部分と定期保険特約部分の合計となります。定期保険特約は掛け捨て型となるため、その期間が終了すると保障はなくなりますが、保険料は比較的安価に設定されています。一方、終身保険部分は一生涯の保障となるため、定期保険特約部分に比べて保険料はやや高くなります。
エル字型保険は、若い世代で、一定期間だけ大きな保障を必要とする方、例えば、住宅ローンを組んでいる期間や、子供が小さい期間などに適しています。将来への備えと、現在の大きな保障ニーズを同時に満たせる、バランスの取れた保険と言えるでしょう。
L字型保険のメリット
エル字型保険は、定期保険と終身保険を組み合わせた保険です。掛け捨て期間のある定期保険で保障の土台を作り、その上に終身保険を積み重ねることで、必要な保障を一生涯確保しつつ、保険料の負担を軽減できるという利点があります。大きなメリットは、なんといっても保険料の安さです。保障の中心となる定期保険部分と、一生涯の保障を担う終身保険部分から構成されていますが、掛け捨て期間中は終身保険部分の保険料の支払いが発生しないため、同等の保障額の終身保険と比べて、保険料を大幅に抑えることが可能です。
特に、若い世代にとって、エル字型保険は魅力的な選択肢となりえます。若い世代は、住宅ローンや教育費など、将来に向けて大きな支出を控えていることが多く、死亡保障へのニーズが高い一方で、保険料の負担はできるだけ抑えたいという希望も持っています。エル字型保険は、こうしたニーズに合致した保険と言えるでしょう。
また、ライフステージの変化に合わせて保障額を見直せる点も、エル字型保険のメリットです。定期保険特約部分の保障額は、必要に応じて柔軟に調整できます。例えば、結婚や出産などによって扶養家族が増え、必要な保障額が増加した場合には、定期保険特約部分の保障額を増額することで対応できます。逆に、子供が独立し、必要な保障額が減少した場合には、保障額を減額することで保険料の負担を軽減することも可能です。このように、エル字型保険は、人生の様々な転機に合わせて、その時々に必要な保障を確保できる、柔軟性の高い保険商品と言えるでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | 定期保険と終身保険を組み合わせた保険 |
メリット |
|
仕組み | 定期保険で保障の土台を作り、終身保険を積み重ねる |
対象 | 特に若い世代(住宅ローン、教育費など支出が多い、死亡保障ニーズが高い、保険料負担を抑えたい) |
保障額調整 |
|
L字型保険のデメリット
L字型保険は、比較的少ない掛金で大きな保障を得られるという利点がありますが、加入前にしっかりとデメリットを理解しておくことが大切です。まず、L字型保険の大きなデメリットの一つに、保障の節目で掛金が大きく上がることが挙げられます。L字型保険は、定期保険と終身保険を組み合わせた商品です。初期費用を抑えるために、若い時期は掛捨ての定期保険で保障額を高く設定し、年齢を重ねると共に終身保険の割合を増やしていく仕組みとなっています。そのため、定期保険の保障期間が終了し、終身保険の保障がメインとなる時期に、掛金が跳ね上がる可能性があります。この掛金の上昇額は、契約時の年齢や健康状態、選んだ保障内容によって大きく変わるため、将来の収入や支出を考慮に入れ、無理なく支払いを続けられるか慎重に検討する必要があります。
次に、解約時に戻ってくるお金、いわゆる解約返戻金が少ない点もデメリットです。L字型保険は、掛捨ての定期保険部分が多くを占めるため、保障期間中に解約すると、戻ってくるお金はほとんどありません。終身保険部分にも解約返戻金はありますが、一般的に、掛金を払い始めたばかりの頃は、解約返戻金の額は少なく、元本割れしている場合もあります。つまり、保険を貯蓄と考えている人にとっては、L字型保険はあまり適していないと言えるでしょう。
さらに、保障内容が複雑なため、自分に必要な保障が不足している可能性があることも注意が必要です。L字型保険は、定期保険と終身保険を組み合わせているため、保障内容が複雑になりがちです。そのため、保障内容をよく理解しないまま加入してしまうと、必要な保障が不足していたり、逆に不要な保障に加入してしまったりする可能性があります。保険に加入する際は、保障内容をしっかりと確認し、自分のニーズに合っているか、専門家に相談するなどして慎重に検討することが重要です。
メリット | デメリット | 注意点 |
---|---|---|
比較的少ない掛金で大きな保障を得られる | 保障の節目で掛金が大きく上がる
|
将来の収入や支出を考慮し、支払継続性を慎重に検討 |
解約返戻金が少ない
|
保険を貯蓄と考えている人には不向き | |
保障内容が複雑で、必要な保障が不足する可能性がある
|
保障内容をしっかり確認し、専門家への相談も検討 |
保険料の推移について
保険料の推移について説明します。将来への備えとして加入する保険ですが、保険料がどのように変化していくのかを理解しておくことはとても大切です。特に、エル字型と呼ばれる保険は、契約当初の保険料が割安に設定されているため、加入しやすいというメリットがあります。しかし、注意が必要なのは、定期特約と呼ばれる保障期間が定められた部分の更新時期です。この更新時期を迎えると、年齢を重ねているため、保険料が大きく上がってしまうという特徴があります。
たとえば、30歳でエル字型保険に加入した場合、最初の更新時期である5年後、つまり35歳になった時には、保険料の負担額が増加します。さらに、40歳、45歳と更新のたびに保険料は上がり続け、家計への負担が大きくなる可能性があります。若い頃は保険料が安く、加入しやすいエル字型保険ですが、更新時期の保険料の上昇をきちんと把握しておかないと、後々支払いが困難になってしまうかもしれません。
また、もう一つ気をつけたい点として、年齢によっては更新ができなくなるということがあります。エル字型保険は、保障期間が定められた定期特約と、一生涯の保障である終身保険がセットになったものです。定期特約には更新の限度となる年齢が設定されているため、その年齢に達すると、定期特約の部分の保障がなくなってしまいます。更新ができなくなると、保障がなくなるだけでなく、改めて別の保険に加入し直す必要が出てきます。
しかし、その時点で健康状態に問題があれば、新たな保険に加入できない可能性も出てきます。仮に加入できたとしても、年齢や健康状態によって保険料が高額になってしまうことも考えられます。そのため、エル字型保険に加入する際は、将来の保険料の推移、更新の有無、そして更新ができなくなった場合の選択肢について、しっかりと確認することが重要です。
年齢 | 保険料 | 備考 |
---|---|---|
30歳 | 割安 | 契約当初 |
35歳 | 増加 | 最初の更新時期 |
40歳 | 増加 | 更新 |
45歳 | 増加 | 更新 |
更新限度年齢 | – | 定期特約終了、保障なし。新たな保険加入が必要となる可能性あり。 |
注意すべき点
生命保険の中でも、エル字型保険と呼ばれる商品は、死亡保障と貯蓄性を併せ持つ商品として知られています。しかし、加入を考える際には、いくつかの注意点に目を向ける必要があります。将来の保険料の上がり方や、解約した場合に戻ってくるお金が少ないといった点を、しっかりと理解しておくことが大切です。
まず、エル字型保険は、一生涯の保障を比較的低い保険料で確保できる点が魅力です。しかし、若い頃は保険料が安くても、年齢を重ねるにつれて保険料が上がっていく仕組みになっています。将来、家計の負担が大きくなってしまう可能性もあるため、保険料の推移についてきちんと確認し、長期的な支払い計画を立てる必要があります。
次に、解約返戻金についてです。エル字型保険は、掛け捨て型の保険に比べて解約返戻金が少ない傾向があります。特に、保険加入から間もない時期に解約すると、払い込んだ保険料よりも戻ってくるお金が少なくなる場合もあります。そのため、将来、急な出費でお金が必要になった際に、解約返戻金で対応できるかどうかを事前に考えておく必要があります。
保険会社の説明をそのまま信じるのではなく、他の会社の保険商品とも比べ、保障内容や保険料をじっくりと比較検討することが大切です。保障内容や保険料の推移、解約返戻金の額などは、保険の設計書や案内資料に詳しく記載されています。これらの資料をよく読んで、内容をきちんと把握するようにしましょう。
また、保険は複雑な商品であるため、お金の専門家に相談することも有効です。ファイナンシャルプランナーなどに相談することで、自分の家計に合った保険選びのアドバイスを受けることができます。保険は長期間にわたる契約となるため、じっくりと時間をかけて検討し、将来の生活設計を見据えた上で、最適な保険を選ぶようにしましょう。
メリット | デメリット | 注意点 |
---|---|---|
一生涯の保障を比較的低い初期保険料で確保できる | 年齢を重ねるにつれて保険料が上がる | 保険料の推移について確認し、長期的な支払い計画を立てる |
解約返戻金が少ない(特に加入初期) | 解約返戻金の額を確認し、解約時の対応を事前に検討する | |
複数の保険商品を比較検討する | ||
設計書や案内資料をよく読んで内容を把握する | ||
ファイナンシャルプランナー等の専門家に相談する |
まとめ
人生における万一の備えとして、死亡保障は大切な要素です。その準備の方法の一つとして、エル字型保険というものがあります。これは、比較的低い掛け金で死亡保障を得られるという利点があります。少ない負担で大きな保障が得られる点は、家計の負担を軽くしたい方にとって大きな魅力と言えるでしょう。しかし、エル字型保険には、注意しなければならない点もいくつかあります。
まず、掛け金は一定ではなく、年齢が上がるにつれて高くなる仕組みになっています。若い頃は少ない掛け金で済みますが、年を重ねるごとに負担が増していくことを理解しておく必要があります。また、途中で解約する場合、戻ってくるお金は支払った掛け金よりもかなり少なくなるのが一般的です。つまり、解約すると大きな損失が生じる可能性があります。
エル字型保険を選ぶ際には、将来の生活設計や収入の変化を予測することが大切です。結婚、出産、住宅購入など、人生には様々な転機があります。将来の収入が増える見込みがあるのか、あるいは支出が増える時期があるのかなど、長期的な視点で家計の状況を考え、無理なく掛け金を払い続けられるかどうかを慎重に見極める必要があります。
さらに、他の保険商品と比較検討することも重要です。保障内容や掛け金の額だけでなく、契約内容や付加的な保障についても詳しく調べ、自分に合った保険は何かを総合的に判断しましょう。保険の担当者に相談したり、複数の保険会社の資料を請求したりするなど、積極的に情報を集めることが大切です。保険は大きな買い物ですので、じっくりと時間をかけて検討し、後悔のない選択をしましょう。
項目 | 内容 |
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メリット | 比較的低い掛け金で死亡保障を得られる。家計の負担が軽い。 |
デメリット |
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注意点 |
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