現症と既往症、持病の違い

現症と既往症、持病の違い

保険について知りたい

先生、「現症」ってどういう意味ですか?

保険のアドバイザー

良い質問だね。「現症」とは、今まさに治療しているケガや病気のことだよ。例えば、今風邪をひいて病院に通っているなら、その風邪は現症にあたるよ。

保険について知りたい

なるほど。今治療中の病気ってことですね。それって「既往症」とは違うんですか?

保険のアドバイザー

その通り。「既往症」は過去にかかって、今は治っている病気のことだよ。例えば、子供の頃にあせもになって、今は治っているなら、それは既往症になるね。現症と既往症は全く違うものなんだ。

現症とは。

保険の言葉で『現症』というものがあります。これは、今まさに治療を受けているケガや病気を指します。反対に『既往症』という言葉もあります。こちらは、過去にかかったものの、今は治っている病気を指します。保険会社は、保険に入る人を決める際に、この既往症をリスクの一つとして考えています。病気の種類や保険の内容によっては、過去にかかった病気を保険会社に伝える義務があります。もし伝えなかった場合、保険の契約が取り消されたり、無効とされたりして、保険金や給付金がもらえなくなることもあります。ちなみに、長く続いていたり、良くなったり悪くなったりを繰り返す病気は『持病』と言います。

現症とは

現症とは

「現症」とは、今まさに治療を受けている病気やけがのことを指します。例えば、かぜをひいて病院に通っている、骨を折って治療中であるといった状況が、これに当たります。つまり、現在進行形で医療機関の診察や治療を受けている状態を表す言葉です。

症状の重さや治療期間の長さは問いません。治療中であれば、すべて現症とみなされます。軽いすり傷で一時的に通院している場合でも、それは現症に該当します。また、長期間にわたる治療が必要な持病であっても、現在治療を受けているのであれば現症です。

重要なのは、過去にかかった病気やけがではなく、現在治療中の病気やけがであるということです。過去に大きな病気をした経験があっても、今は完治していて治療を受けていなければ、それは現症ではありません。

現症と似た言葉に「既往症」があります。既往症は過去にかかった病気やけがのことを指します。例えば、子供のころにぜんそくを患っていた、数年前に手術を受けたことがある、といった場合が該当します。現症と既往症はどちらも健康状態に関する重要な情報ですが、現症は「現在治療中」既往症は「過去にかかった」という点が大きく異なります。

保険に加入する際などには、これらの言葉の意味を正しく理解しておくことが大切です。問診票などで「現症」について聞かれた場合は、現在治療中の病気やけがについて正確に伝えるようにしましょう。過去の病気やけがについて聞かれた場合は、「既往症」として答える必要があります。このように、状況に応じて適切な情報を伝えることで、スムーズな手続きにつながります。

項目 説明
現症 現在治療を受けている病気やけが。症状の重さや治療期間は問わない。
既往症 過去にかかった病気やけが。現在は完治している、治療していないものを含む。
例(現症) 風邪で通院中、骨折で治療中、軽いすり傷で通院中、持病で治療中
例(既往症) 子供のころのぜんそく、数年前に受けた手術
保険加入時の注意点 問診票で「現症」を聞かれたら、現在治療中の病気やけがについて正確に伝える。「既往症」を聞かれたら、過去にかかった病気やけがについて答える。

既往症とは

既往症とは

既往症とは、過去に罹った病気で、現在は治癒している状態を指します。つまり、かつて病気にかかって治療を受け、その後、医師から完治の診断を受けた病歴のことです。たとえば、子供の頃によくかかる水疱瘡や、手術で摘出する虫垂炎などは、その後、再発の可能性が低く、日常生活に支障がなくなれば、既往症とみなされます。また、肺炎や骨折といった病気や怪我も、完全に治癒すれば既往症となります。

重要なのは、現在治療を受けていないことです。過去にどんなに重い病気や大掛かりな手術を受けていても、完全に治っていて、現在治療の必要がなく、健康状態に問題がなければ既往症と判断されます。例えば、過去に癌を患って手術や抗がん剤治療を受けていたとしても、医師から完治と診断され、定期的な検査も不要になっていれば既往症となります。

しかし、注意が必要なのは、症状が再発したり、後遺症が残っている場合です。過去に患った病気が再発した場合や、治療後に何らかの後遺症が残り、継続的な治療や通院が必要な場合は、既往症ではなく、現症または持病と判断されます。例えば、喘息のように、発作が起きた時だけ治療が必要な病気や、糖尿病のように、継続的な服薬が必要な病気は、治癒しているとはみなされず、既往症にはなりません。

保険に加入する際には、これらの既往症について告知を求められることがあります。告知義務は、保険会社が被保険者のリスクを正しく評価するために非常に重要な情報です。告知内容に基づいて、保険料の算出や保障範囲の決定が行われます。正しい告知を行うことで、将来の保険金請求におけるトラブルを避けることができます。告知に際しては、医師の診断書や過去の治療歴を確認し、正確な情報を伝えるようにしましょう。

状態 説明 保険への影響
既往症 過去に罹患し、現在は治癒している病気。治療の必要がなく、健康状態に問題がない。 水疱瘡、虫垂炎、治癒した肺炎/骨折、完治した癌 告知義務あり。保険料/保障範囲に影響する可能性あり。
現症/持病 過去に罹患した病気が再発、または治療後に後遺症が残り継続的な治療/通院が必要な状態。 再発した癌、喘息、糖尿病 告知義務あり。保険料/保障範囲に影響する可能性あり。

持病とは

持病とは

持病とは、長い間、継続して、あるいは断続的に繰り返す病気のことを言います。まるで、体の中に居座ってしまった住人のように、ずっと付きまっていかなければならない病気です。具体的にどのような病気が持病と言われるのかというと、例えば、喘息のように、呼吸が苦しくなる発作が繰り返し起こる病気や、糖尿病のように、血液中の糖の濃度が高くなる病気、高血圧のように、血管に常に高い圧力が加わっている状態などが挙げられます。

これらの持病は、継続的な治療や管理が必要となる場合がほとんどです。症状が一時的に落ち着いたように見えても、それは病気の根っこがなくなったわけではなく、また症状が現れる可能性が高いのです。まるで、静かに眠っている火山のように、いつ噴火するか分からない状態と言えるでしょう。そのため、持病は完治が難しい病気も多く含まれます。

持病の発生には、生活習慣や体質が関係していることもあります。例えば、毎日同じ姿勢での作業を続けることや、脂っこい食事ばかりを好むこと、生まれつき特定の病気になりやすい体質であることなどが、持病を誘発したり、悪化させたりする要因となる場合もあります。ですから、持病と付き合っていくためには、定期的な検査を受けたり、医師から処方された薬をきちんと服用したりするなどして、症状が悪化しないように気をつけなければなりません。これは、病気の勢いを抑え、穏やかに過ごしていくためにとても大切なことです。

また、生命保険や医療保険などに加入する場合、持病がある場合は告知義務が発生します。これは、保険会社に自分の持病についてきちんと伝える義務のことです。保険会社は、告知された持病の種類や症状の重さなどを総合的に判断し、保険に加入できるかどうか、あるいは保険料をいくらにするのかを決定します。正しい情報を伝えることで、後々トラブルになることを防ぐことができるので、正確な告知を心がけましょう。

項目 説明
持病の定義 長い間、継続して、あるいは断続的に繰り返す病気。ずっと付きまっていかなければならない病気。
持病の例 喘息、糖尿病、高血圧など
持病の特徴 継続的な治療や管理が必要。症状が落ち着いても再発の可能性あり。完治が難しい場合も多い。
持病の原因 生活習慣、体質など
持病との付き合い方 定期的な検査、医師の指示に従う、生活習慣の改善など
保険への影響 告知義務あり。保険会社が加入可否や保険料を決定。

保険加入時の告知義務

保険加入時の告知義務

保険に加入する際には、過去の病気や今の健康状態について、保険会社に伝える義務があります。これは告知義務と呼ばれ、保険会社が加入者のリスクをきちんと評価するために必要な情報提供です。告知義務の対象となるのは、過去にかかった病気や持病だけでなく、今現在かかっている病気も含みます。

例えば、過去に大きな病気をして手術を受けたことがある場合、その病気の種類や手術の内容、入院期間などを告知する必要があります。また、現在高血圧や糖尿病などの持病がある場合、その病名や治療内容、服薬状況なども告知しなければなりません。さらに、健康診断で異常を指摘された場合や、現在通院中または入院中の場合も、その内容を告知する必要があります。些細なことだと思っても、後々のトラブルを防ぐためにも、包み隠さず伝えることが大切です。これらの情報は、保険会社が保険料を計算したり、保障内容を決めたりするために重要な要素となります。

告知の内容によっては、保険会社が加入を断ったり、保険料を高く設定したりする場合があります。例えば、重篤な病気にかかっている場合や、過去に何度も入院している場合などは、加入を断られる可能性が高くなります。また、持病がある場合や、健康診断で異常を指摘された場合などは、保険料が割増される場合があります。

さらに、告知義務に違反した場合、つまり、事実と異なる内容を告知したり、重要な情報を隠したりした場合には、保険契約が取り消されたり、保険金が支払われなくなったりする可能性があります。万が一、告知義務違反が発覚した場合、保険会社は契約を無効とすることができ、それまでに支払った保険料も返還されない場合があります。また、保険事故が発生した場合でも、保険金は支払われません。そのため、保険に加入する際は、正確で誠実な告知を心がけることが非常に重要です。

告知内容について少しでも不明な点や不安なことがある場合は、遠慮なく保険会社や保険代理店に問い合わせて確認することを強くおすすめします。専門家に相談することで、安心して保険に加入することができます。

告知義務の対象 具体例 告知義務違反時のリスク
過去の病気や手術 病気の種類、手術の内容、入院期間 ・保険契約の取消
・保険金不払い
・支払済保険料の返還なし
現在の持病 病名、治療内容、服薬状況
健康診断の異常 指摘された異常の内容
通院・入院 通院・入院の内容
その他健康状態 些細なことでも包み隠さず伝える

告知に基づき、保険会社は保険料の算出や保障内容を決定します。告知内容によっては、加入拒否や保険料割増の可能性も有ります

まとめ

まとめ

「まとめ」とある通り、病気の状態を表す言葉の使い方を整理しておきましょう。医療や保険の世界でよく使われる「今の病気(現症)」「過去の病気(既往症)」「ずっと続く病気(持病)」、これらはそれぞれ異なる意味を持っています。

まず、「今の病気(現症)」とは、今まさに治療を受けている病気や怪我のことです。風邪をひいて病院にかかっている、足を骨折して治療中である、といった状況がこれに当たります。

次に、「過去の病気(既往症)」は、過去にかかり、すでに治った病気のことを指します。例えば、子供の頃にかかった水疱瘡や、手術で完全に治癒した虫垂炎などが挙げられます。ただし、一度治ったように見えても、再発の可能性がある病気や、後遺症が残っている場合もあるため、注意が必要です。

最後に、「ずっと続く病気(持病)」とは、慢性的に患っている病気のことです。高血圧や糖尿病、喘息など、継続的な治療や管理が必要な病気がこれに該当します。持病は、症状が安定していても、定期的な検査や服薬が必要となる場合が多いです。

これらの言葉の違いを正しく理解することは、保険に加入する際や、医療に関する情報を理解する上で非常に大切です。特に、保険への加入を検討する際には、「今の病気(現症)」「過去の病気(既往症)」「ずっと続く病気(持病)」について、保険会社に正しく伝える義務(告知義務)があります。告知義務を果たすことで、自分に合った保険を選び、いざという時に安心して保障を受けることができます。もし、自分の健康状態や病歴について少しでも疑問に思うことがあれば、医師や保険会社の担当者に相談してみましょう。専門家から詳しい説明を受けることで、より安心して医療や保険と向き合っていくことができるはずです。

病気の状態 説明
今の病気(現症) 今まさに治療を受けている病気や怪我 風邪、骨折
過去の病気(既往症) 過去にかかり、すでに治った病気 水疱瘡、虫垂炎
ずっと続く病気(持病) 慢性的に患っている病気 高血圧、糖尿病、喘息