
台風への備えと保険の役割
台風とは、暖かい海の表面で生まれる、勢力の強い渦巻く空気のかたまりです。気象庁の定めた定義では、この空気の渦の中心付近で吹く、瞬間的に最も速い風の速度(最大風速)が、一秒間に17.2メートル以上になった時、私たちはそれを「台風」と呼びます。秒速17.2メートルというと、時速になおすと約62キロメートル。これは、自転車でとても速く走っている時と同じくらいの速さです。
台風は、生まれるときは「熱帯低気圧」と呼ばれ、暖かい海水から立ち上る水蒸気が雲になるときに発生する熱をエネルギー源として成長します。まるで、温かいお風呂から湯気が立ち上るように、海からたくさんの水蒸気が空に昇っていき、雲に変わるときに熱が発生するのです。この熱が、熱帯低気圧をさらに大きく、強い渦へと育てていきます。そして、中心付近の最大風速が一定の基準に達した時、熱帯低気圧は「台風」へと名前を変え、より強力な風雨をもたらす存在となるのです。
台風が生まれる場所は、主に太平洋やインド洋といった、赤道付近の暖かい海です。生まれる時期は、夏から秋にかけてが多く、日本に近づく台風もこの時期に集中しています。台風は、時に私たちの生活に大きな影響を及ぼします。強い風で家が壊れたり、大雨で洪水が起こったりと、甚大な被害をもたらすことがあるのです。ですから、台風が近づくと予想される時には、気象情報に注意し、早めの備えをすることが大切です。家の周りのものを片付けたり、非常食を準備したり、避難場所を確認したりすることで、被害を少なくすることに繋がります。日頃から防災意識を高め、安全に過ごせるように心がけましょう。