
企業リスク管理:ERMで会社を守る
会社を経営していく上で、様々な危険が潜んでいることを忘れてはいけません。これらの危険をまとめて会社全体で把握し、対処していく方法が企業危険管理(略して企業危管)と呼ばれています。企業危管は、従来の個別の危険への対処方法とは大きく異なります。従来の方法では、お金に関する危険、事業運営における危険、法令遵守に関する危険、災害に関する危険など、それぞれの危険を個別に管理していました。しかし、企業危管では、これらの多様な危険を全てまとめて一つの枠組みの中で捉えます。
例えば、ある製品の欠陥が見つかったとします。これは製品の品質に関する危険ですが、同時に会社の評判を落とす危険にも繋がり、ひいては会社の収益を減らす危険にも繋がります。このように、一見すると別々の危険に見える事柄も、実は互いに関連し合い、影響し合っているのです。企業危管では、このような危険同士の繋がりも考慮することで、より効果的な対策を立てることができます。
会社を取り巻く状況は常に変化しており、何が起こるか予測することは困難です。思いもよらない出来事が発生することもあります。このような変化に柔軟に対応し、会社の価値を守り、さらに高めていくためには、企業危管が欠かせません。企業危管では、まず会社に潜む様々な危険を洗い出し、それぞれの危険がどの程度の大きさで、どのくらいの頻度で起こりそうかを評価します。そして、その評価に基づいて、それぞれの危険に対する対策を考え、実行していきます。
企業危管は、会社の安定した成長を支える重要な役割を担っています。危険を事前に把握し、適切な対策を講じることで、不測の事態による損失を最小限に抑え、会社が持続的に成長していくための基盤を築くことができるのです。