
一時所得とは?概要と具体例を解説
一時所得とは、その名の通り、一時的に発生する所得のことです。これは、事業や給与のように継続して収入を得るものとは性質が異なり、突発的あるいは偶発的に得られる所得とされています。
具体的にどのようなものが一時所得に該当するのかというと、大きく分けて2つの種類があります。一つは、労力やサービスの提供によって得られる報酬ですが、継続的な雇用関係から得られる給与とは異なり、単発的な仕事や臨時的な手伝いに対する謝礼などが該当します。例えば、懸賞の賞金や福引の当選金、講演料などがこれにあたります。講演料は、専門家や著名人であっても、継続的に行っている講演活動でなければ一時所得とみなされます。
もう一つは、資産の譲渡によって得られる収入です。ただし、これも事業として継続的に行っている売買ではなく、個人的な資産を売却した場合に限られます。例えば、趣味で集めていた切手コレクションを売却して利益が出た場合や、不要になった家財道具をフリーマーケットで売って収入を得た場合などが該当します。
一時所得は、他の所得とは異なる税制が適用されます。所得税の計算においては、一時所得の金額から特別控除額(最高50万円)を差し引いた金額の二分の一が課税対象となります。つまり、一時所得であっても一定額までは非課税となるため、他の所得と比べて税負担が軽くなる場合があります。
確定申告の際には、一時所得を他の所得と混同しないように注意し、適切に区分して申告することが大切です。一時所得に該当する収入を得た場合は、領収書や契約書などの関連書類を保管しておき、確定申告の際に必要に応じて提出できるように準備しておくことが重要です。