訴訟

記事数:(2)

その他

アンブレラ保険:もしもの時の備え

包括賠償責任保険とは、思いがけない事故やトラブルで、高額な賠償責任を負ってしまった場合に備える保険です。別名『傘保険』とも呼ばれ、まるで傘のように幅広く私たちの生活を守ってくれます。 例えば、自転車に乗っていて歩行者にぶつかり、相手に大けがをさせてしまったとします。この場合、治療費や慰謝料、逸失利益など、多額の賠償金を支払う必要が生じるかもしれません。このような状況で役立つのが、包括賠償責任保険です。 自動車事故の場合を考えてみましょう。自分が加入している自動車保険で支払われる賠償金額には上限があります。もし、事故によって相手が重度の後遺症を負ってしまった場合、自動車保険の限度額を超える賠償金を請求される可能性も出てきます。このような場合、超過分の賠償金を自己負担しなければなりません。しかし、包括賠償責任保険に加入していれば、自動車保険の限度額を超えた賠償金を一定の限度額まで補填してもらえます。 また、日常生活でのトラブルも補償対象です。例えば、マンションのベランダから植木鉢が落ちて通行人に怪我をさせてしまったり、飼い犬が他の人を噛んでしまったりした場合でも、包括賠償責任保険が適用されます。 このように、包括賠償責任保険は、予期せぬ出来事から私たちを守り、経済的な負担を軽減してくれる重要な役割を果たします。自動車保険や火災保険などの他の保険ではカバーしきれない賠償責任を補填してくれるため、『保険の保険』とも呼ばれるのです。万が一の時の備えとして、検討してみてはいかがでしょうか。
その他

役員を守る保険:会社役員賠償責任保険

会社役員賠償責任保険とは、企業の役員を守るための大切な保険です。具体的には、会社役員が業務を執行する中で、誤った判断や行動によって会社や他者に損害を与えてしまった場合、役員個人に発生する損害賠償責任を補償します。 近年の企業経営は、様々な法令や社会規範を遵守することが求められるなど、複雑さを増しています。また、企業の経営のあり方に対する社会からの監視の目も厳しくなってきています。このような状況下では、会社役員は、常に訴えられる危険性にさらされています。会社役員賠償責任保険は、このような訴訟のリスクから役員個人を守る安全網の役割を果たします。 特に、株式を公開している企業や世界規模で事業を展開する企業では、訴訟に巻き込まれる可能性が高いため、会社役員賠償責任保険の重要性はより一層高まっています。また、近年、企業統治の改革が進んでおり、社外から取締役を招き入れる企業が増えています。社外取締役は、企業内部の事情に詳しくないため、思わぬ誤解や訴訟に発展する可能性も懸念されます。そのため、社外取締役の導入も会社役員賠償責任保険への関心を高める一因となっています。 この保険は、役員個人が負担する賠償金だけでなく、訴訟に関連する弁護士費用や調査費用なども補償します。そのため、訴訟に巻き込まれた際の経済的な負担を大きく軽減することができます。安心して職務に専念できる環境を整備するためにも、会社役員賠償責任保険は、現代の企業経営において必要不可欠な存在になりつつあると言えるでしょう。