
保険会社の基礎利益:本業の収益力を知る
生命保険会社の実力を知る上で、「基礎利益」は大切な手がかりとなります。生命保険会社は、皆様からいただく保険料や、集めたお金を運用して得る利益など、様々な方法でお金を稼いでいます。しかし、これらの利益の中には、一時的な出来事で大きく変わってしまうものも含まれています。
例えば、会社が持っている株や債券を売って得た利益は、市場の上がり下がりによって大きく変動します。毎日、コンスタントに得られる利益とは言えません。また、大きな自然災害が起こった際に支払う多額の保険金や、会社同士がくっついたり、買収されたりした際の特別な利益や損失も、普段の業務とは異なる一時的なものです。
このような一時的な利益や損失を取り除き、保険会社の本来の事業である保険事業で、どれだけの力でお金を稼いでいるのかを測る物差しが、基礎利益です。具体的には、会社の通常の活動で得られた利益である経常利益から、株や債券の売買で得た利益や損失といった資本損益、そして、特別な臨時的な利益や損失を取り除くことで計算されます。
基礎利益を見ることで、一時的な要因に左右されない、安定した本来の事業の儲けの実力を知ることができるのです。これは、まるで健康診断の数値を見るように、生命保険会社の状態を的確に捉えることを可能にします。将来に渡って安定した経営が見込めるか、しっかりと保険金を支払う力があるかといったことを判断する上で、基礎利益は欠かせない情報なのです。
保険会社を選ぶ際には、目先の利益だけでなく、この基礎利益にも注目することで、より安心して加入できる会社を見極めることができるでしょう。生命保険は長期にわたる契約となるため、一時的な利益ではなく、腰を据えて堅実に利益を生み出せる会社を選ぶことが大切なのです。