将来価値

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法律

ライプニッツ係数と新ホフマン係数

お金というものは、時間の流れとともに価値が変わります。今手元にある百万円と、十年後に手に入る百万円とでは、価値が違います。なぜなら、今百万円あれば、それを運用したり投資したりすることで、十年後には百万円以上の価値になる可能性があるからです。将来もらえるお金を、今の価値に置き換えて考えることを現在価値化といいます。 この現在価値化をする際に用いられるのが、ライプニッツ係数と新ホフマン係数と呼ばれるものです。交通事故などで、将来働くことができなくなり、得られるはずだった収入が得られなくなった場合などを考えてみましょう。このような、将来得られるはずだった利益のことを逸失利益といいます。逸失利益を計算する際に、ライプニッツ係数と新ホフマン係数が使われます。将来にわたって得られるはずだった収入を、これらの係数を用いて現在の価値に換算することで、受け取るべき賠償金の額を計算するのです。 例えば、将来一年間に百万円の収入を得られるはずだった人が、事故で働けなくなったとします。この場合、単純に考えると、受け取るべき賠償金は百万円です。しかし、現在価値化の考え方では、十年後に受け取るはずだった百万円は、今受け取る百万円よりも価値が低いと考えます。なぜなら、今百万円を受け取れば、それを運用して十年後には百万円以上になる可能性があるからです。そこで、ライプニッツ係数や新ホフマン係数を用いて、将来の百万円を現在の価値に割り引きます。係数を掛け合わせることで、将来の百万円を現在の価値、例えば九十万円などに換算し、賠償金額を算定します。 このように、ライプニッツ係数と新ホフマン係数は、将来のお金の価値を現在の価値に置き換えるための重要な役割を担っています。これにより、事故などで将来の収入を失った場合でも、適切な賠償額を算定し、被害者の生活を保障することに繋がります。