姻族

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法律

親族の範囲:基礎知識

親族とは、法律によって定められた血縁関係や婚姻によって繋がっている人のことです。民法第七百二十五条から第七百三十条にかけて、その範囲が細かく定められています。これは、単に血の繋がりがある人だけではなく、法律上の手続きを経て繋がりを持つ人も含まれるということです。親族には、自分を中心とした血縁関係を辿る「血族」と、婚姻によって関係が生じる「姻族」の二種類があります。 血族には、父母や祖父母といった自分よりも前の世代の「直系尊属」、そして子や孫といった自分よりも後の世代の「直系卑属」がいます。また、兄弟姉妹やおじおば、いとこなどは傍系血族と呼ばれます。自分から見て何親等にあたるのかによって、法律上の関係の濃さが変わってきます。例えば、直系血族は常に親族となりますが、傍系血族の場合は、法律で定められた範囲内の親等である場合のみ親族と認められます。 一方、姻族は、配偶者の血族との関係を指します。配偶者の父母は姻族となりますが、配偶者の兄弟姉妹の配偶者などは姻族にはあたりません。婚姻関係がなくなっても、一定の姻族関係は継続する場合があります。例えば、離婚後も、元配偶者の父母との関係は、養親子関係がない限り継続します。 このように、親族の範囲は複雑で、それぞれの関係によって法律上の意味合いも異なってきます。相続や扶養義務、保険金の受け取りなどを考える際、親族の範囲を正しく理解しておくことは非常に大切です。自分が考えている親族の範囲と、法律で定められた範囲が異なっている場合、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もあります。例えば、保険金の受け取り人を親族に指定する場合、自分が親族と考えていた人が法律上は親族と認められず、本来の希望とは異なる結果になってしまうかもしれません。また、扶養する義務がある範囲も親族関係によって定められているため、誤解は大きな問題に繋がることがあります。円満な人間関係を築き、自身を守るためにも、親族の範囲についてしっかりと理解しておく必要があると言えるでしょう。