
利差損益とは?仕組みを解説
保険会社は、集めた保険料を運用することで将来の保険金支払いに備えています。この運用から生まれる利益の一つに利差損益があります。利差損益とは、あらかじめ想定した利率(予定利率)と実際の運用で得られた利率の差から生じる損益のことです。実際の運用利率が予定利率よりも高ければ利差益、低ければ利差損となります。
保険会社は、新しい保険を作る際に、将来支払う保険金や事業費などを考え、保険料を計算します。この計算で重要な役割を持つのが予定利率です。予定利率とは、集めた保険料を運用して得られると見込む利率のことです。
例えば、10年後に100万円支払う契約があるとします。予定利率が年2%とすると、現在必要な金額は約82万円です。もし、実際の運用で年3%の利回りが出た場合、現在必要な金額は約74万円で済みます。この差額の18万円が利差益です。逆に、実際の運用利回りが年1%だった場合、現在必要な金額は約91万円となり、差額の9万円が利差損となります。
このように、利差損益は保険会社の経営に大きな影響を与えることがあります。特に、低い金利が長く続く状況では、予定利率を上回る運用利回りを出すことは難しく、利差損益の管理は保険会社にとって重要な経営課題です。また、保険会社を利用する人にとっても、保険会社の経営状態は保険金が確実に支払われるかに関わるため、利差損益の動きは気になる点と言えるでしょう。
保険会社は、安全な運用を重視しながらも、少しでも高い利回りを出せるよう努力しています。また、将来の金利変動などのリスクも考え、様々な対策を講じています。保険を選ぶ際には、保険会社の経営状態や利差損益の状況なども参考にすると良いでしょう。