分損担保条件

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W.A.(分損担保条件)とは?

海上輸送で大切な荷物を守るために、貨物保険は欠かせません。中でも『分損担保条件』、略してW.A.は重要な約款です。このW.A.を正しく理解することは、自分に合った保険を選ぶ上でとても大切です。 まず、『分損』とは何かを確認しましょう。海上輸送中に、船や積荷の一部に損害が生じることを指します。例えば、嵐で船が揺れ、一部の荷物が水に濡れて傷んでしまう、といった場合です。このような部分的な損害を『分損』と呼びます。 W.A.は、基本的にはこの分損を担保しません。つまり、少しの損害では保険金は支払われないということです。しかし、特定の事故による分損は例外的に担保されます。その特定の事故とは、例えば、船の座礁、沈没、衝突、火災、爆発などです。また、船が嵐に巻き込まれて積み荷を海に捨てることになった場合なども含まれます。これらの大きな事故が原因で発生した分損であれば、W.A.でも保険金が支払われます。 このように、W.A.は全ての分損を補償するわけではなく、特定の事故を原因とする分損のみを補償します。そのため、『分損担保条件』という名前がついているのです。 W.A.以外にも、全ての分損を担保する『オールリスク』と呼ばれる条件もあります。W.A.とオールリスク、それぞれの特徴を理解し、輸送する貨物の種類やリスクの大きさ、そして保険料などを考慮して、最適な保険を選ぶ必要があります。