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火災保険

未評価保険主義:損害発生時の価格で評価

未評価保険主義とは、契約時に保険金額をあらかじめ決めておくのではなく、実際に損害が生じた時点で初めて金額を決めるという、ちょっと変わった保険の考え方です。簡単に言うと、保険に入る段階では、もしものことがあった時にいくらもらえるのかわからない、ということです。 なぜこのような仕組みがあるのでしょうか?それは、未来のことは誰にもわからないからです。例えば、火災保険で考えてみましょう。家が火事になった時に備えて保険に入るとします。契約時に家の価値をきちんと調べたとしましょう。しかし、火事が実際に起こるまでには、もしかしたら数年かかるかもしれません。その間に、物価が上がったり下がったり、家の価値も変わってしまうかもしれません。もし契約時に決めた金額で保険金を支払うと、損害を正しく埋め合わせることができないかもしれません。 そこで、未評価保険主義の出番です。この方式だと、火事が起きた時点での家の価値に基づいて保険金が計算されるので、より正確に損害を補填してもらえます。 例えば、10年前に建てた家を1000万円で評価して火災保険に加入したとします。そして今年、火災が発生して家が全焼してしまいました。この10年の間に物価が上がり、同じ家を建てるには1500万円かかるとしましょう。もし評価額1000万円の保険に加入していたら、500万円損をしてしまいます。しかし、未評価保険主義であれば、損害発生時の1500万円で保険金が支払われるので、損をすることなく家を建て直すことができます。 このように、未評価保険主義は、将来何が起こるかわからないという不確実性に対応するために重要な仕組みです。将来の損害をより確実にカバーしたいという人に向いていると言えるでしょう。