
ESG投資とは?未来への投資
「環境・社会・企業統治」を意味する「ESG」という言葉をご存知でしょうか。これは、それぞれの英語表記である「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の頭文字から作られています。近年、このESGという考え方が投資の世界で注目を集めており、「ESG投資」と呼ばれる投資活動が広がりを見せています。
従来の投資活動では、企業の財務状況や業績といった数値情報が重視されてきました。収益性が高い、つまり儲かる会社かどうかを判断基準として投資をしていたのです。しかし、ESG投資では、これらの従来の判断基準に加えて、企業が環境問題や社会問題にどのように取り組んでいるか、公正で透明性のある企業統治を行っているかといった点も評価します。具体的には、環境問題への取り組みとしては、二酸化炭素排出量の削減や再生可能エネルギーの利用などが挙げられます。社会問題への取り組みとしては、労働環境の改善や人権の尊重、地域社会への貢献などが挙げられます。また、企業統治については、情報公開の透明性や、株主の権利保護などが重要視されます。
これらの要素を総合的に判断することで、企業の長期的な成長性や持続可能性を見極めることがESG投資の目的です。短期的な利益だけでなく、将来にわたって安定した成長が見込める企業に投資することで、持続可能な社会の実現にも貢献しようという考え方です。つまり、ESG投資とは、単にお金を増やすためだけの投資ではなく、社会全体にとって良い影響を与える企業を応援するという側面も持っていると言えるでしょう。地球環境の保全や社会の公平性といった課題解決にもつながるため、今後ますますESG投資の重要性が高まっていくと考えられています。