
介護老人保険施設とは?
高齢者の介護を必要とする方々に向けた施設には、大きく分けて三つの種類があります。それぞれの施設は異なる役割を担っており、利用者の状態や必要なサービスによって最適な施設を選ぶことが大切です。
一つ目は、介護老人保健施設、略して老健です。老健は、病状が安定していて入院治療は必要ないものの、自宅での生活が難しい高齢者が利用する施設です。リハビリテーションに力を入れており、利用者の在宅復帰を支援することを目的としています。医師や看護師、理学療法士、作業療法士などの専門スタッフが、日常生活の動作訓練や機能回復訓練など、一人ひとりに合わせたプログラムを提供します。
二つ目は、介護老人福祉施設、一般的には特別養護老人ホーム、特養と呼ばれています。常に介護が必要で、自宅での生活が困難な高齢者が対象です。食事、入浴、排泄などの日常生活の介助を24時間体制で提供し、利用者が安心して生活できるよう支援します。特養は、入所待ちの期間が長い場合が多く、待機者が多いという現状があります。
三つ目は、介護療養型医療施設です。長期の療養が必要な高齢者が対象です。病状は安定しているものの、医療的なケアが必要な場合に利用されます。医師や看護師による医療行為や、リハビリテーションなどが提供されます。しかし、近年では医療ニーズの高い高齢者を病院で受け入れる体制が整いつつあるため、介護療養型医療施設の数は減少傾向にあります。
このように、それぞれの施設は異なる役割と特徴を持っています。そのため、家族やケアマネージャーとよく相談し、高齢者の状態や希望に合った施設を選ぶことが重要です。施設の種類やサービス内容をよく理解し、最適なケアを受けられるようにしましょう。