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保険のリテール:個人顧客との長期的な関係構築

「販売」と訳されることもある「リテール」という言葉は、金融の世界でよく耳にする言葉です。「リテール」とは、簡単に言うと、少額の取引や業務を指します。大きな金額を扱う「ホールセール」の反対語として使われます。金融機関では、企業や機関投資家など、大きなお金を扱う相手との取引を「ホールセール」、私たちのような個人を相手にする比較的小さな金額の取引を「リテール」と呼んで区別しているのです。 銀行で考えてみましょう。銀行では、私たち個人が預金口座を作ったり、住宅を買うためにお金を借りたりします。このような個人が利用する預金や住宅ローンといったサービスは、まさに「リテール」にあたります。一方、大企業がお金を借り入れる融資などは「ホールセール」に分類されます。 証券会社ではどうでしょうか。私たち個人が株や投資信託を売買するのも「リテール」業務です。大企業やファンドなどが巨額の資金で株の売買を行うのは「ホールセール」です。このように、取引の金額や相手によって「リテール」と「ホールセール」が区別されているのです。 保険会社でも同じです。私たちが病気やケガに備えて入る医療保険や、万が一の場合に家族を守るための生命保険、自動車事故に備える自動車保険などは、ほとんどが個人向けに販売されている「リテール」商品です。一方で、大企業が事業の継続のために加入する保険などは「ホールセール」に分類されます。 つまり、私たちが普段、銀行や証券会社、保険会社とやり取りする窓口業務の多くは「リテール」業務なのです。銀行の窓口で預金を引き出したり、保険の相談を受けたりするのも、全て「リテール」業務の一環です。このように、「リテール」という言葉は、私たちの身近な金融取引を理解する上で重要なキーワードと言えるでしょう。