甲状腺がんを知ろう
保険について知りたい
先生、保険の書類に『甲状腺がん』って書いてあるんですけど、これってどういう意味ですか?
保険のアドバイザー
甲状腺がんとは、のどぼとけの下あたりにある甲状腺という場所にできる悪性腫瘍のことだよ。腫瘍というのは、体の一部にできた異常な塊のことだね。
保険について知りたい
悪性腫瘍っていうことは、体に悪いものってことですよね?どんな症状が出るんですか?
保険のアドバイザー
そうだね。甲状腺がんの場合、初期には自覚症状がない場合も多いけど、進行すると、のどにしこりができたり、痛みを感じたり、声がかすれたり、ものを飲み込む時に違和感を感じたりすることがあるよ。もちろん、これらの症状が出たからといって必ずしも甲状腺がんとは限らないけどね。
甲状腺がんとは。
保険の用語で出てくる「甲状腺がん」について説明します。「甲状腺がん」とは、甲状腺というところにできる悪性のしこりのことです。よくある症状としては、甲状腺にしこりや痛みを感じたり、声がかすれたり、ものを飲み込むときに違和感があったりすることがあります。
はじめに
近年、患者数が増えている病気の一つに、甲状腺がんがあります。首の前側、のどぼとけの下あたりにある甲状腺という臓器にできる悪性腫瘍のことです。この甲状腺は、体の新陳代謝を調整するホルモンを作る大切な器官です。新陳代謝とは、体の中で古いものが新しく作り変えられる働きのことで、体温の維持や心臓の動き、食べ物の消化など、生命活動のほぼすべてに関わっています。
甲状腺がんは、比較的ゆっくりと進行することが多く、早期に発見し適切な治療を行えば、治癒が期待できるがんの一つです。しかし、自覚症状が現れにくいため、健康診断などで偶然発見されるケースも少なくありません。初期の段階では、自覚症状がほとんどないため、首にしこりを感じたり、声がかすれたりといった症状が現れた時には、すでに病気が進行している場合もあります。そのため、定期的な健康診断や人間ドックの受診が重要です。
甲状腺がんは、いくつかの種類に分けられますが、乳頭がんが最も多く、全体の約8割を占めると言われています。その他には、濾胞がん、髄様がん、未分化がんといった種類があります。それぞれの種類によって、治療方法や経過が異なってきます。
今回は、甲状腺がんの基本的な情報として、概要、症状、早期発見の重要性について解説しました。甲状腺がんについて正しく理解することは、早期発見・早期治療につながり、健康な生活を送る上で非常に大切です。この情報が、皆さんの健康管理の一助となれば幸いです。
項目 | 説明 |
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概要 | 首の前側、のどぼとけの下あたりにある甲状腺という臓器にできる悪性腫瘍。体の新陳代謝を調整するホルモンを作る大切な器官である甲状腺に発生する。 |
症状 | 初期段階では自覚症状はほとんどない。進行すると首にしこりを感じたり、声がかすれたりするなどの症状が現れる。 |
早期発見の重要性 | 比較的ゆっくりと進行し、早期に発見し適切な治療を行えば治癒が期待できる。定期的な健康診断や人間ドックの受診が重要。 |
種類 | 乳頭がん(約8割)、濾胞がん、髄様がん、未分化がん。種類によって治療方法や経過が異なる。 |
甲状腺がんとは
のど仏の下、ちょうど蝶々が羽を広げたような形をした小さな臓器、甲状腺。ここで作られる甲状腺ホルモンは、私たちの体にとって欠かせないものです。体内で作られる熱量や栄養分の消費など、生命活動を維持するためのエネルギー調整を担っているからです。この甲状腺にできるがんが、甲状腺がんです。
甲状腺がんは、甲状腺を構成する細胞が異常に増え続け、腫瘍を形成する病気です。他の臓器のがんと比べると、比較的ゆっくりと進行することが知られています。そのため、適切な治療を受ければ、多くの場合、治癒が期待できます。しかし、決して油断は禁物です。進行すると、リンパ節や肺、骨などに転移する可能性も否定できません。早期発見と適切な治療が、甲状腺がんの克服には非常に重要です。
甲状腺がんは、いくつかの種類に分けられます。代表的なものとしては、乳頭がん、濾胞がん、髄様がん、未分化がんが挙げられます。これらの種類によって、治療方針や経過、予後などが異なってきます。そのため、がんの種類を正確に診断することが、最適な治療を選択する上で欠かせません。
甲状腺がんは、他の臓器のがんと比較して、比較的予後の良いがんと言われています。適切な治療を行うことで、多くの方が健康な生活を取り戻すことができます。そのためにも、定期的な健康診断や、首のしこりなどの自覚症状に気づいたら、早めに医療機関を受診することが大切です。早期発見、早期治療が、甲状腺がんから身を守る上で最も有効な手段と言えるでしょう。
項目 | 説明 |
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甲状腺 | のど仏の下にある小さな臓器。蝶々が羽を広げたような形をしている。 |
甲状腺ホルモン | 甲状腺で作られるホルモン。生命活動のエネルギー調整を担う。 |
甲状腺がん | 甲状腺の細胞が異常に増え続け、腫瘍を形成する病気。 |
特徴 | 比較的進行が遅い。適切な治療で治癒が期待できる。進行するとリンパ節、肺、骨などに転移する可能性もある。 |
種類 | 乳頭がん、濾胞がん、髄様がん、未分化がん |
治療 | がんの種類によって治療方針、経過、予後が異なる。 |
予後 | 他の臓器のがんと比較して比較的良い。適切な治療で健康な生活を取り戻せることが多い。 |
早期発見 | 定期的な健康診断、首のしこりなどの自覚症状に気づいたら早めに医療機関を受診。 |
主な症状
甲状腺がんは、初期の段階ではほとんど自覚できるような兆候がありません。そのため、自覚症状がないまま健康診断や人間ドックといった検査で思いがけず見つかることも珍しくありません。
しかし、がんが進行し腫瘍が大きくなってくると、様々な症状が現れ始めることがあります。代表的なものとしては、首の部分にしこりや腫れが生じることが挙げられます。これは、甲状腺にできた腫瘍が大きくなることで、外から触れることができるようになるためです。また、しこりや腫れの部分に痛みを伴う場合もあります。
さらに、腫瘍が大きくなると、周囲の組織を圧迫するようになります。これにより、声がかすれたり、食べ物を飲み込む際に違和感を感じたりすることがあります。また、気管を圧迫することで、呼吸がしづらくなることもあります。これらの症状は、甲状腺がん以外にも、他の病気でも起こりうるものです。ですので、これらの症状が出たからといって必ずしも甲状腺がんとは限りません。
重要なのは、自己判断せずに、医療機関を受診することです。医師による診察と適切な検査を受けることで、正確な診断が可能になります。特に、首にしこりを発見した場合は、決して放置せずに、速やかに専門医の診察を受けるようにしてください。早期発見・早期治療は、がんの予後を大きく左右する重要な要素です。少しでも気になる症状がある場合は、ためらわずに医療機関に相談しましょう。
甲状腺がんの症状 | 症状の説明 |
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初期症状 | 自覚症状がないことがほとんど |
進行した際の症状 | 首にしこりや腫れ、痛みを伴う場合も有る |
腫瘍が大きくなった際の症状 | 声がかすれる、食べ物を飲み込む際の違和感、呼吸困難 |
注意点 | 上記症状は他の病気でも起こりうるため、自己判断せず医療機関を受診 |
早期発見 | 首にしこりを発見した場合は、速やかに専門医の診察を受診 |
検査と診断
甲状腺がんを調べるには、いくつかの段階を踏みます。まず、お医者さんが皆さんの首を触って、しこりや腫れがないかを確認します。これは触診と呼ばれ、直接手で確認することで、異変に気付く第一歩となります。
次に、血液検査を行います。血液検査では、甲状腺ホルモンの量を測り、甲状腺が正常に働いているかを調べます。ホルモンのバランスが崩れている場合は、甲状腺に何らかの問題がある可能性を示唆します。
さらに詳しい検査として、超音波検査があります。超音波検査では、体に害のない音波を使って甲状腺の様子を画像で確認します。しこりの大きさや形、内部の状態などを詳しく観察することで、がんの可能性を評価します。
がんの有無を最終的に判断するためには、細胞診や組織診が必要です。細胞診は、細い針を刺して甲状腺の細胞を採取し、顕微鏡でがん細胞の有無を調べます。組織診は、細胞診よりも多くの組織を採取する検査で、より正確な診断が可能です。これらの検査結果をもとに、がんの種類や進行度合いを特定し、最適な治療方法を決定します。
甲状腺がんは早期発見で治癒の可能性が高まる病気です。そのためにも、健康診断や人間ドックを定期的に受診し、早期発見に努めることが大切です。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
治療方法
甲状腺がんの治療は、一人ひとりの状況に合わせて慎重に決められます。がんの種類や広がり具合、患者さんの年齢や体の状態によって、最適な治療法は異なってきます。主な治療法として、手術、放射線治療、薬物治療があります。
手術では、甲状腺の全部または一部を取り除きます。がんの大きさや場所、リンパ節への転移の有無などによって、切除する範囲が変わってきます。手術後には、傷の痛みや声のかすれなどの症状が現れることがありますが、多くの場合、時間とともに改善していきます。手術は、がんを直接取り除く最も確実な方法であり、多くの甲状腺がんの患者さんにとって最初の治療となります。
放射線治療は、手術で取りきれなかったがん細胞や、再発したがん細胞を破壊するために用いられます。放射線治療には、体の外から放射線を照射する外照射法と、放射性ヨウ素を内服してがん細胞を内部から破壊する内用療法があります。放射線治療は、手術後の再発予防や、手術が難しい場合の治療として用いられます。副作用として、皮膚の炎症や倦怠感などが現れることがありますが、医師の指示に従って適切に対処することで軽減できます。
薬物治療は、甲状腺ホルモンの分泌を抑える薬や、がん細胞の増殖を抑える薬などを用います。甲状腺ホルモンの分泌を抑える薬は、がんの成長を遅らせる効果があります。がん細胞の増殖を抑える薬は、がんの進行を抑えたり、縮小させる効果があります。薬物治療は、手術や放射線治療と組み合わせて行われることもあります。副作用として、吐き気や食欲不振などが現れることがありますが、医師に相談することで対処できます。
どの治療法が最適かは、専門の医師とよく相談して決めることが大切です。患者さん自身の希望も尊重しながら、がんの種類や進行度、年齢、全身状態などを総合的に判断し、最適な治療方針が決定されます。治療のメリットだけでなく、起こりうる副作用や日常生活への影響についても十分に説明を受け、納得した上で治療を受けることが重要です。
治療法 | 概要 | 適用 | 副作用 |
---|---|---|---|
手術 | 甲状腺の全部または一部を切除 | がんの大きさや場所、リンパ節転移の有無による | 傷の痛み、声のかすれ |
放射線治療 | 外照射法:体の外から放射線を照射 内用療法:放射性ヨウ素を内服 |
手術で取りきれなかったがん細胞、再発がん 手術困難な場合 |
皮膚の炎症、倦怠感 |
薬物治療 | 甲状腺ホルモン分泌抑制薬 がん細胞増殖抑制薬 |
手術や放射線治療と併用 | 吐き気、食欲不振 |
早期発見の重要性
甲状腺がんは、比較的治りやすいがんとして知られていますが、それは早期に発見し、適切な治療を受けた場合に限られます。早期発見こそが、体への負担の少ない治療、そして、健康な生活への復帰を大きく左右する鍵となります。ですから、定期的な検査による早期発見の取り組みは、決して軽視すべきではありません。
特に、ご家族に甲状腺がんを患った方がいらっしゃる場合や、過去に放射線に被曝した経験がある場合は、甲状腺がんのリスクが高いと考えられます。そのため、積極的に検査を受けることを強くお勧めします。また、年齢や性別に関わらず、首に何かしこりや腫れを感じたり、声のかすれ、食べ物を飲み込みにくいといった症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。これらは甲状腺がんの初期症状である可能性があります。
甲状腺がんの検査は、主に超音波検査や血液検査で行われます。超音波検査は、甲状腺の状態を画像で確認する検査で、痛みを伴わず体に負担が少ない検査です。血液検査では、甲状腺ホルモンの値などを調べることで、甲状腺の機能に異常がないかを調べます。これらの検査は比較的簡単に行えるため、健康診断などに加えて定期的に受けることをお勧めします。
早期に発見された甲状腺がんは、手術や放射線治療などで治療を行います。がんの進行度合いによっては、飲み薬による治療が行われる場合もあります。早期発見であれば、体に負担の少ない治療法を選択できる可能性が高まります。また、早期発見・早期治療によって、がんの再発や転移のリスクを減らし、良好な経過をたどる可能性も高まります。
自分の体を守るためには、日頃から自分の体に気を配り、少しでも異変を感じたら、ためらわずに専門の医師の診察を受けることが大切です。健康はかけがえのない財産です。早期発見の重要性をしっかりと認識し、健康な生活を送りましょう。
項目 | 内容 |
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甲状腺がんの特徴 | 比較的治りやすいがん(ただし、早期発見・適切な治療の場合) 早期発見が重要 |
リスクが高い人 | 家族に甲状腺がんを患った人がいる 過去に放射線被曝の経験がある |
甲状腺がんの症状 | 首のしこり・腫れ 声のかすれ 食べ物を飲み込みにくい |
検査方法 | 超音波検査(痛みを伴わず体に負担が少ない) 血液検査(甲状腺ホルモンの値などを調べる) |
治療方法 | 手術 放射線治療 飲み薬による治療 |
早期発見のメリット | 体に負担の少ない治療を選択できる可能性が高い 再発・転移のリスクを減らせる 良好な経過をたどる可能性が高い |